森友学園土地取引問題:近畿財務局長への告発が受理される

 大阪府豊中市の国有地を学校法人森友学園に約8億円値引きの価格で売却した問題で、美並義人近畿財務局長に対する背任容疑での告発を東京地検が受理し、大阪地検に移送していたことがわかった。

 告発をおこなった市民団体が12月4日に記者会見して発表した。受理は12月1日付。

 森友学園問題は、大阪府豊中市の国有地が新設の私立小学校の予定地となったことに気づいた地元の市議や住民らが、通常は公開されるのが原則となっている国有地売却価格が非公開になっていることに気づいて情報公開請求をかけたことが、発覚の発端となった。

 当該の学園が経営する幼稚園で教育勅語暗唱など特異な教育方針をとっていたとして当時から有名だったことや、問題の土地は豊中市が区画整理の中で防災公園として購入したい意向を持っていたが国から提示された売却価格が高すぎて断念した経緯があったことなども、地元住民らが土地取引を不審に思った背景にあった。

 売却価格の情報公開請求と前後して、朝日新聞が2017年2月、「問題の土地売却額は約1億3000万円前後と推定され、相場よりも大きく値引きされている」とするスクープ記事を出したことで、一連の森友学園事件が大きく報道されるに至った。

 国はその後売却額公開に転じて約8億円の値引きが判明したものの、値引きの根拠についてははっきりしない状況が続いている。国は敷地内にゴミが埋まっていることによる撤去費用を売却額から差し引いたとしたが、そこまで撤去費用はかからないという試算も出されている。

 この値引きの背景には、森友学園の教育方針が、安倍晋三首相や大阪府政与党の大阪維新の会につながる政治家と一致するものだったことが指摘されている。

 極右的な教育方針を支持する政治思想や、いわゆるネオリベ的な公教育縮小思想を背景にした大阪府知事や維新の政治家の意向を受けた大阪府が、森友学園が私立小学校新設の意向を持っていたことと利害関係が一致して強引な学校設置認可をすすめ、また国も大阪府の学校設置認可と連携する形で大阪府内の国有地を安く譲り渡したのではないかとする疑惑がもたれている。

 さらには、教育勅語暗唱など学園の特異な教育方針の問題や、経営する幼稚園や保育所での園児への虐待まがいの行為、保護者への不適切対応、大阪府や大阪市からの補助金を学園が不正に受給していたのではないかとする問題なども発覚した。

 森友学園問題では、国会でも大阪府議会でも真相究明が続いている。しかし同じような答弁が繰り返されるばかりで、真相究明には至っていないし、疑惑がもたれるような状況が払拭されたともいえない。

 議会での追及とは別個に、地検としての慎重な捜査も必要になるのではないか。

(参考)
◎森友問題、近財局長への告発受理 背任容疑で東京地検(共同通信 2017/12/4)