大阪府で中学生に「チャレンジテスト」実施

 大阪府教育委員会は1月14日、府内の中学校1・2年の全生徒を対象に「チャレンジテスト」を実施する。今回が初の実施で、今回は「試行」の位置づけだが、次回以降はテストの成績を内申点に反映するという。毎年1月の実施を予定している。

 「チャレンジテスト」導入の背景には、大阪府公立高校入試の選抜制度の変更がある。調査書(通称・内申書)に記載される学校での成績が、従来の相対評価から絶対評価(到達度別評価)に切り替えられることに伴い、成績評価を内申点として入試の点数に組み入れることから、各学校間で評価に格差が出る可能性があるとして、「チャレンジテスト」の実施で各学校別の内申点の成績補正をおこなうという。

 このことは逆に言うと、チャレンジテストの成績と教師の通常の成績評価の結果が離れていると「教師の評価は恣意的」とレッテルを貼られる危険性もあるし、実際にチャレンジテストの成績と学校での内申評価が大きく乖離した場合は学校に是正勧告する方針が出されていることから、教師の日常の成績評価もチャレンジテストの結果を意識したものにならざるを得ず、チャレンジテストの結果が学校での成績評価にもかなりの比率で反映されることにもなる。

 しかしこれは、受験競争を激化させるだけなのではないのか。実際に、学習塾や学校側が「チャレンジテスト」の試験対策に乗り出しているという話も聞かれる。毎日新聞2015年1月10日付記事「チャレンジテスト:試行テストでも熱気 大阪府の中学生」によると、学習塾が模擬試験を実施したり、学校で予想問題を解かせる事例が紹介されている。

 また1980年代~90年代前半に神奈川県でおこなっていた「アチーブメントテスト」(ア・テスト)の失敗の前例もある。このテストは中学2年を対象に実施し、テスト成績を入試評価の一部に組み入れて判定していたが、2年次のテストと2年修了時の内申点であわせて入試判定の4割となることから、2年次からの受験競争の長期化や、2年修了時にかなり志望校が絞られて3年次のがんばりでの逆転が困難になることで、テストの成績が良かった生徒が慢心したり、逆に失敗した生徒がやる気をなくしたりして3年次の教育活動にも影響が出ることから、批判を受けて廃止された経緯がある。この失敗を、さらに問題のある形で再現することになるのではないか。