道徳教科化に懸念の声:岩手県の教育関係者

 「東奥日報」2014年12月24日付に「道徳評価に難しさ指摘の声 「教科化」に県内関係者」が掲載されている。

 記事では安倍内閣が進める「道徳教育の教科化」について、学校現場では評価の難しさを指摘する声があるとして、岩手県内の教育関係者に聞いた声を紹介している。

教科化とセットの「評価」には不安が根強い。盛岡市の緑が丘学童保育クラブの指導員(55)は「学年が上がれば先生との相性が出てくる。合わない先生に心を評価されたら気持ち悪いはず。発達障害の子どもは評価によってさらに厳しい環境に置かれないか」と懸念。同市津志田の少年補導員(60)も「皆同じでなく、個人を認める教育であってほしい」と願う。

 岩手大教育学部の室井麗子准教授(教育哲学)は「道徳性は絶対的なものでなく、記述の評価でも悩むだろう」と教員側の負担感を推測。近年の教育改革について「教員は自由度が失われつつあり、子どものためにも多様な実践ができる環境が大切だ」と指摘する。

(東奥日報2014/12/24「道徳評価に難しさ指摘の声 「教科化」に県内関係者」)

 記事で指摘されている懸念は、全くそのとおりであると感じる。

 道徳教育はそもそも個人の内面を育成するものである。また道徳性は絶対的・普遍的なものではなく、社会環境や時代背景、各個人の価値観によって変わりうるものである。

 評価となると特定の価値観を「正しい」「絶対的」なものとして、それにどれだけ近づいたかを測ることになってしまう。これは数値評価を避けて記述式の評価にするとしても、評価すること自体の問題からは逃れられない。

 道徳教育は安倍政権が目指すようなやり方ではなく、全く別の方向で、子どもの自主性や判断力などを伸ばす方向で考えていくべきで、評価などはなじまない。