東日本大震災:幼稚園バス津波訴訟で和解成立

 東日本大震災で日和幼稚園(宮城県石巻市)の送迎バスが津波に巻き込まれて園児5人が死亡した事故で、4人の遺族が幼稚園を運営する法人らを相手取って訴えていた訴訟が、12月3日に東京高裁で和解した。

 幼稚園側が園児の命を守る義務を果たしていなかった法的責任を認めて遺族側に謝罪し、和解金6000万円を支払うなどとした内容だという。また和解勧告には「後世の防災対策に活かせるようにする」という裁判所からの意見が明記された。

 この幼稚園では震災直後、園児を帰宅させるために送迎バスに乗せた。まず沿岸部地域に行って沿岸部在住の園児を降ろし、その後山側に回って山手地域の園児を降車させる予定だった。沿岸部で一部園児を降ろして山手の方向に向かっている途中に津波に巻き込まれ、園児5人と同乗の職員1人が死亡した。運転手は流されたものの、九死に一生を得たという。

 遺族側は、園がラジオなどで防災情報を収集していなかったことなどを指摘した。一方で園側は「津波は予測不可能」として争っていた。

 和解が成立したことはひとつの節目である。失われた命が戻ってくるわけではないという意味では、遺族にとってはつらいことは変わらないだろう。事件の教訓を後世の防災対策に活かせるようにしていくことが、関係者の思いに応えることなのではないだろうか。

(参考)
◎津波で園児死亡 幼稚園と遺族が和解(NHKニュース 2014/12/3)