大阪市中学校給食:本質見ず「ふりかけ」でごまかす議論

 「冷たくておいしくない」など生徒からは不評の大阪市の中学校給食について、橋下徹大阪市長は11月25日に教育委員と意見交換をおこなった。

 橋下氏らは「ふりかけを認めるのはどうか」などと提案し、それに対して教育委員会事務局が「国の栄養摂取基準に基づいて調理された学校給食では塩分オーバーになる」と難色を示したり、参加者からは「ふりかけを前提にメニューを考えては」「塩分の低いふりかけを開発するのはどうか」など、本質からかけ外れた議論に終始した。

 橋下市長は「ふりかけの判断ぐらい学校現場に委ねられなければ、中央集権そのものだ」などと批判したという。

 一体何の話をしているのかというほど、本質とはかけ離れた議論である。

 大阪市の中学校給食が不評なのは、弁当形式でおかずが10度以下に冷やされて出てくるものを、強制的に食べさせられることが大きな原因となっている。この問題はふりかけではどうしようもない。

 食中毒防止のために10度以下に冷やさなければならないという制約があり、これはコンビニやスーパーで販売している弁当を陳列棚から出した直後よりもはるかに冷たいことになる。通常は温かくしたり常温で食べるようなものでも、この冷たい温度ではおいしくないのは当然だろう。冷たくても食べられるようなものを出すのなら味付けを濃い目にすることになるだろうが、それは給食の調理基準で塩分量が制限されていることからも難しい。薄味のものを冷たいままで食べろなど、苦痛であろう。

 校内に給食室を整備しての自校調理方式や、近隣の小学校で中学校分の給食も調理する親子方式、給食センターから配送するセンター方式にするか、弁当方式でも直前に大量の弁当を温められるような機器を導入するなどしなければならないだろう。温かいものを温かく食べるのも食育である。

 しかしそういうことは無視し、中学校給食を導入したと宣伝するためだけに、多くの人の想定をはるかに超えた斜め上の給食を導入し、問題点の本質には目を向けずに生徒に犠牲を強いる形で根性論と小手先の対策だけで乗り切ろうとするような、大阪市のやり方ではおかしい。大阪市の中学校給食は、現行制度を前提とした小手先の対策では乗り切れないのは明らかではないか。

(参考)
◎今度は「ふりかけ」で議論 橋下市長、不評の中学校給食の実情に驚く(産経新聞 2014/11/25)

スポンサードリンク