寝屋川市で全国学力テスト学校別成績公表:大阪

 大阪府寝屋川市は10月15日、同日発行の市の広報誌で、2014年4月に実施した全国学力テストの学校別成績を公表した。

 公表理由について寝屋川市は「保護者・地域への説明責任」「学校を支援する」としている。

 しかし学力テストの学校別成績公表自体、一回のテストでの平均点や順位だけを「学力のすべて」とすり替え、そういう一面的な観点だけがひとり歩きしていくものである。

 全国学力テスト導入の際には、競争と序列化を指摘する声に対し、文科省は都道府県別までの成績公表にとどめる方針を出さざるを得なくなった。それでも、自分のところの順位は何位か、自分のところの平均点は全国平均と比べて上か下かといった一面的な扱いが、マスコミ報道や教育委員会の対応も含めてひとり歩きしている。「学力向上」といっても、学力テストの対策をして平均点を上げるという一面的な視点に陥っている場合も多い。

 一方で、競争と序列化が元々の全国学力テスト導入の目的だったことや、競争と序列化を求める勢力からの動きが激しいことも背景に、文科省は一定の条件で市区町村別・学校別成績公表も事実上認める形にした。

 学校別成績を公表すると、テストの平均点だけがひとり歩きして学校の格差が固定化し、また校区地域もテスト成績によって序列化されることにもなりかねない。実際、テストの平均点が思わしくなかった学校や地域の生徒が、それをネタに心ない発言を受けたりネット上などで中傷される事例は、全国的にも多数報告されている。

 学力の概念は、一度のテストでの学校や自治体での平均点という一面的なものではなく、もっと幅広いものを含むものである。まずそこを踏まえなければならない。学校別成績公表は学力概念を「学校や地域の平均点や順位」「全国平均や地域の平均より上か下か」に一面的に狭めることにしかならないのは、全国学力テストでの都道府県別成績公表での扱い、および地域別統一学力テストで成績公表をおこなった自治体での実例などを見れば自明である。

(参考)
◎全国学力調査の学校別成績を公表 寝屋川市(朝日新聞 2014/10/15)