全国学力テスト成績公表は正当と強調:静岡県知事

 川勝平太静岡県知事は10月10日、全国学力テストの市町村別成績を公表したことを文科省が問題視していることを受け、「都道府県別結果を公表した国と同じことをしただけ」などと発言し、正当性を強調した。

 川勝知事は2014年度全国学力テストについて、県内の全市町村別の平均点と、学校の平均点が全国平均点を上回った学校の校長の氏名を、知事判断で公表した。

 これについて下村博文文部科学大臣が「市町村別成績公表は文科省の方針に反する」などと苦言を呈し、文部科学省が静岡県教育委員会に対して、知事への成績データ公表の経緯について経過報告を求めていた。

 学力テストのそもそも論を考えれば、平均点や順位だけを絶対視した視点での公表は、きわめて問題があるものである。川勝知事の行為は論外といってよい。

 しかし文部科学省の対応によって、川勝知事のような一面的な公表主義者に揚げ足を取られる余地を作っている形になっていることもみなければならないだろう。

 全国学力テストは、導入を提唱した当時、地域別・学校別の競争と序列化を図る目的が露骨に示されていた。しかし世論の広まりや国会での論議を経て、文部科学省は表向き競争と序列化は言えなくなり、児童・生徒ひとりひとりの学力把握などを目的にするかのように弁明した。

 その一方で、競争と序列化の観点から成績公表を求める動きも根強い。文科省は競争と序列化を防ぐとして、平均点や順位の公表は都道府県のみにとどめる苦肉の策を編み出した。しかしその一方で、一定の手順を経れば市町村別成績の公表も事実上認めるような対応もとっている。

 文科相が全国学力テストのやり方を「全体的な傾向を知るための抽出調査」に抜本的に改めるか、テストそのものを廃止するかしない限り、現行のやり方では公表をめぐるいざこざは必然的につきまとうことになる。

(参考)
◎全国学力テスト:知事「国と同じこと」 公表、改めて正当性強調 /静岡(毎日新聞 2014/10/11)