「学力低迷」で土曜授業へ:鹿児島県

 鹿児島県教育委員会は10月9日、「学力低迷」を理由に、県内の各市町村に対して、すべての公立小中学校で土曜授業を月1回おこなうよう求める方針を決めた。

 2015年度より実施する予定だとしている。実際に実施するかどうかは、各市町村が判断するとしている。

 しかしこれは、一面的な学力観をもとに、一面的な学力対策で乗り切ろうという、きわめて俗物的な発想である。教育の専門家としてはおおよそなじまないような施策である。

 全国学力テストの県の平均正答率が全国平均より低かったことを「学力低迷」と一面的に判断している。学力テストで計測できる学力はごく一部分に過ぎず、一度の学力テストの成績だけを絶対視して一喜一憂するような性格のものではない。またひとりひとりの到達度などを無視して、平均点や順位だけに過剰にこだわるのも、学力の本質を見失うような俗物的な論議である。

 さらに、「学力が低ければ授業時数を増やせばいい」という発想も、単純極まりないものである。現行の教育課程では、「生活に密着」などの理由で応用的な内容が先に出てきて、その応用的な内容を裏付けるような基礎内容が後の学年で出るなど、カリキュラム的な問題も指摘されることもある。単純に授業時数を増やすことよりも、学問的な系統性や子どもの理解度を踏まえた教育課程こそが重要である。

(参考)
◎鹿児島県、全小中の土曜授業要請へ 学力低迷で(朝日新聞 2014/10/10)