大阪市立デザイン教育研究所、存廃揺れる状況に

 大阪市立の専修学校「大阪市立デザイン教育研究所」について、橋下徹大阪市長が廃止の圧力をかけて揺れている。

 大阪市教育委員会は2014年7月29日の教育委員会会議で、2015年度までの入試の継続は決めたものの、2018年度以降の市直営はしない方針を決め、民営化は可能か結論を出す方針とした。

 デザイン教育研究所は大阪市立工芸高等学校に併設され、工芸高校をはじめ美術・デザイン系学科の高校の卒業生を対象に、高校の専門学科と接続したデザイン教育をおこなうことを目的としている。

 橋下徹大阪市長が掲げる「大阪都構想」のあおりを受け、市立学校を府に一元化することが一方的に打ち出された。そのあおりで、デザイン教育研究所は府に移管せずに廃止する方針が打ち出された。

 大阪市教委は2013年6月に一度廃止の方針を出したものの、関係者からの批判を受け募集停止を先送りした。さらに2014年5月には大阪市会で存続を求める陳情書が採択された。大阪市教委は市会の陳情や学校視察を踏まえ、2015年度の入試実施を決めた。しかし橋下徹大阪市長がこれに反発して「募集するなら市税を使わない運営をすべき」などと政治的圧力をかけた。

 この間の経過は、政治的圧力による朝令暮改の印象が強い。現状ではデザイン教育研究所を廃止する必要はないとは考えられるが、理論的に言えば万が一仮に存廃が判断される状況だとしても、それを判断する基準は「学校の教育活動を新しい形で発展させるほうが適切かどうか」であり、大阪都構想なる政治的圧力ではない。

 2018年度以降の市直営はしない方針だといっても、大阪市教育委員会がその方向で検討しているというだけで、現時点では条例などで正式に廃止や民営化が決まったわけではない。

 そもそも橋下市長が「大阪都構想」なるものを口実に余計なちょっかいを掛けなければ混乱は起きないはずなのだが、それはともかく、関係者はじめ住民の要求や運動がカギになってくるといえるだろう。