中教審・「道徳の教科化」を選択肢のひとつとして検討

 中央教育審議会の専門部会は10月15日までに、政府の教育再生会議が提唱している「道徳の教科化」について、選択肢のひとつとして検討素案に盛り込む方針を固めたということです。

 教科は、社会現象や自然現象に関する客観的事実に基づいて探究された各分野の学問を背景としています。しかし道徳の内容はほかの教科と違い、個人の判断や価値観に左右されるものです。価値観は社会背景にも大きな影響を受け、また時代によっても変化しうるものです。道徳は教科化にはなじみません。
 道徳教育は個人の「考える力・自主的に判断し行動する力」の育成が大前提となってきます。そして、一人一人が自主的・自発的に考え行動して望ましい社会規範を作っていくことが重要です。しかし、道徳を教科化して特定の価値観を教え込むというのは前近代的な発想です。
 教育学部の学生など教育学の初学者向けにおこなう授業でもあるまいし、教育分野の専門家や識者が集まることを前提とする中央教育審議会で「道徳の教科化」を選択肢に入れて議論するというのも、教育学の基本を踏まえれば奇妙な話です。

<中教審>検討素案に「道徳の教科化」…専門部会了承〔『毎日新聞』2007/10/16〕
 中央教育審議会の専門部会は15日、政府の教育再生会議が提唱している道徳の教科化について、道徳教育を充実させるための「一つの選択肢」として、審議中の検討素案に盛り込むことを大筋で了承した。教科化した場合の問題点も併記する方針で「簡単に結論は出さないほうがいい」(本田和子主査=お茶の水女子大前学長)と判断した。

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