宿題代行業者というトンデモ商売

 「宿題代行業者」について、週刊誌が特集記事を組んでいるという。

 『週刊ポスト』2014年9月5日号『宿題代行業者 小6算数「故意に1割間違える」依頼にも対応』によると、以下のような事例が紹介されている。

  • 「美大生が絵を描いてくれるという業者に依頼したことがあります。その時は娘が過去に描いた絵を送って、同じタッチで少しだけ上手な作品をオーダーしました。私が見ても本人が描いたかと思うような絵がきました」(中学生の母親)
  • 「算数のプリントを依頼しました。息子は決して算数が得意なほうではないので1割くらいわざと間違った答えを混ぜてもらいました」(小学生の母親)
  • 「当社は今までの代行実績を学年別に保存しているため、依頼に合わせて既存の作品に加筆修正することですぐ納品できます。読書感想文や絵日記なら1日で納品することも可能です」(代行業者)
  • 「学年ごとに習う漢字は把握していますので、文中にお子様が習っていない漢字が出てこないように気をつけています」(代行業者)

 こういう依頼をする保護者も問題だし、こんな商売自体がふざけている。

 宿題を代行させるということ自体、学習内容の反復や定着を図るなどの宿題の目的を根本から否定するものである。学校教育への重大な挑戦であろう。

 宿題の量が多すぎるのならば、それは学校側と相談する内容である。しかし、学習塾の課題に追われて宿題をする時間がないという本末転倒な依頼まであるという。

 しかも絵の作風や筆跡まで似せて、教師をごまかそうというのだからどうしようもない。

 教育評論家・尾木直樹氏はブログで「詐欺」などと厳しく批判していたが、全く同感である。

 宿題代行業者なる商売がいつ発生したのかは定かではないが、少なくとも2007年の時点でマスコミに取り上げられている(参考:当ブログ2007年9月2日)。また大学の課題レポート代行、読書感想文のサンプル提供などの類似の商売もあるという。

 某代行業者サイトでは、「代行は違法ではありません!」と大きく記載していた。しかもご丁寧にも、こんな詭弁まで。

現在の日本の学習環境においてはある種、結果主義な場面が多く見受けられます。「良い答え」を出せば、「良い成績」として評価されるというシステムがあまりにも強すぎるからです。受験大国ならではの教育だと感じられます。
一方のノーベル賞がもっとも多く輩出されているアメリカでは、ほとんどの教科書やレポートには「模範解答」や「解法ヒント」などがついております。これは、「考えるプロセス」を重視した教育になっているからです。

学習にとって最も大切なことは、「答え」や「解答」ではなく、「なぜこのような答えになったのか」という「考えるプロセス」にあります。このことは、学生だけでなく、社会人の方にも同じことが言えます。

「模範解答を作ってもらう」ことは、決して違法ではありません。模範解答を基に「考えるプロセス」を大切にしましょう!

 児童・生徒は何もせず、代行業者が作った解答をあたかも本人が自ら作ったものかのようにごまかして学校に提出しているにもかかわらず、一見すると関係あるようで何の関係もないことを持ち出す詭弁をこねくり回して「模範解答」「考えるプロセス」ともっともらしく正当化するとは、図々しいと言わざるをえない。

 現行法では明確に違法と扱えないであろうことは確かだが、法的に裁けないのならば何をしてもいいというわけではない。この行為は教育への重大な挑戦であり、また倫理的にも著しく問題である。

 法的な規制は困難かもしれないが、少なくとも保護者が適切な対応をとってこういうものを使わないことで、商売として成り立たないようにさせていかなければならない。