神奈川県立高校教科書採択、実教出版日本史教科書の希望なし

 神奈川県教育委員会は8月19日、2015年度に使用する県立高校の教科書の採択を決定した。

 国旗国歌法での日の丸・君が代について「一部の自治体に強制の動きがある」とする記述があることを敵視し、前年度に県教育委員会が各学校に採択させないように圧力をかけた、実教出版の「日本史A」および「日本史B」の教科書については、今回は希望する学校がなかった。

 一方で今年の教科書採択にあたっても、神奈川県教委が各学校に圧力をかけ、実教出版の教科書を選定しないように通知するなどしていたことが指摘されている。県教委が校長の会議や文書でその旨を指示していたという証言が明らかにされ、また教科書問題に取り組む団体の情報開示請求でもその旨を指示する文書が出されていたことが明らかになっている。

 これらの圧力から、現場サイドでは採択の最有力候補として検討していても、教育委員会やそれを受けた管理職の意で別の教科書を選定せざるをえなかったケースもあるとみられる。

 高校教科書の採択については、形式上は、最終的に採択を決めるのは教育委員会ではある。しかし実際の運用としては、現場の教科担当者が教科書を選んで希望を出し、学校として候補を教育委員会に申請し、教育委員会が追認する形になるのが通例である。

 実教出版日本史教科書の問題では、教育委員会が学校の判断に介入して、採択を変えさせる動きも各地で生まれている。神奈川県教委のほか、川崎市、横浜市、東京都などでこの動きが生まれた。また埼玉県議会の「刷新の会」、大阪府議会の「大阪維新の会」といった極右会派が、この教科書を採択させないよう教育委員会に政治的圧力をかける動きも生まれた。

 日の丸・君が代に関して、よほど都合が悪いという自覚があるのだろうか。

 日の丸・君が代強制の動きをやめさせることはもちろんのことであるが、教科書採択についても学校現場の判断を尊重させる取り組みも、同時に進めていく必要があるだろう。

(参考)
◎県立高教科書、すべて原案通り採択 「実教」は希望なく(神奈川新聞 2014/8/20)