高校教科書採択で現場の希望尊重を求める要請:神奈川

 神奈川県立高校の2013年教科書採択をめぐり、神奈川県教育委員会が実教出版の日本史教科書を排除するよう学校側に介入した問題に関連して、「教科書採択の介入問題を考える会」は6月16日に神奈川県庁で記者会見し、教科書採択にあたっては各教科からの希望を尊重することを求める要請書を発送したことを明らかにした。

 また日本史担当教員に対しても、13年度の採択結果に左右されることなく、教員がもっとも適切と判断した教科書を選定するよう求める要望書を送付したことも、あわせて明らかにした。

 高校教科書の採択の際、地理歴史科・日本史において、実教出版の教科書を排除する動きが、2012年度より始まった。2013年度1年生より学年進行で実施されている学習指導要領に対応して改訂された実教出版の日本史教科書では、日の丸・君が代に関して「一部の自治体では強制の動きがある」と記載された。日の丸・君が代を強制したい各地の教育委員会や自民党・維新の会など右派政治家がこの記述を問題視し、教育委員会が排除を求める圧力を各学校にかけたり、議員が政治介入と取れる行動をとった。

 日本史科目は2~3年で開講・学習される場合が多く、2013年になると、新学習指導要領で学習する生徒が次年度2014年で2年生に進級することにともなって日本史科目の教科書採択が本格化し、これに呼応する形で実教出版日本史教科書の排除・妨害の動きも各地で強まった。

 神奈川県でも、28校が一度実教出版の日本史教科書採択を内定したものの、神奈川県教委が圧力をかけて学校長に「再考」を促して採択変更の圧力をかけ、28校全てで採択内定が撤回されて別の教科書に差し替えられた。

 2014年になってもこの動きは止まらず、東京都では引き続き当該教科書を排除することを求める通知が出たという。神奈川県でも昨年の動きから考えると、同じような動きが引き続きおこなわれることも十分想定される。

 神奈川県教委をはじめ各地の教育委員会が敵視する記述は、事実の客観的な記述でしかない。日の丸・君が代を強制しているという身に覚えがあるから不都合、だから敵視して排除するという流れなのかもしれないが、これでは学校側の自主性を損なう教育介入である。

 学校側が選定した教科書を尊重することを、強く臨みたい。