実教出版教科書を採択しないよう再び通知:東京都

 高等学校での教科書採択について、東京都教育委員会は6月12日、実教出版の日本史教科書『高校日本史A』『高校日本史B』の使用は適切ではないとする通知を各学校に出すと発表した。2013年度にも同様の通知を出していて、2度めとなる。

 両教科書とも、日の丸・君が代をめぐり、「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」と記述されている。東京都など一部教育委員会や右派系団体、各地の自民や維新など右派系議員がこれを問題視し、この教科書を採択させないように各地で圧力や妨害を加えてきた。

 東京都でも「国旗掲揚と国歌の起立斉唱は教員の責務であるとする都教委の考え方と異なる」として、この記述を敵視している。東京都は入学式・卒業式での日の丸掲揚や君が代斉唱の押し付けが、最も激しくおこなわれた自治体の一つでもある。東京都の対応ひとつとっても、この記述は誤りではないことがわかる。また検定を通過した教科書について、都教委がさらに特定の考え方に基づいて採択を制限するのも問題である。

 日の丸や君が代については、歴史的な経過から内心の自由にもかかわる問題でもあり、強制は望ましくない。また入学式や卒業式自体、学校側の自主性にそって運営されるべきものであり、教育委員会が特定の形式を押し付けるのは望ましくない。

 このような通知が再び出されるのは、極めて残念なことである。