ミカンの皮むき実験で体調不良事故:石川県の中学校

 石川県加賀市の中学校で、薬品を使ってミカンの皮をむく実験をおこなった際、実験に使用したミカンを食べた生徒らが体調不良を訴えて一時検査入院したということです。

 おこなわれた実験は、希塩酸と水酸化ナトリウムを使用してミカンの薄皮をむくというものです。この原理は缶詰のミカンを製造する際にも応用されているものです。しかし今回、薬品が十分洗い流されずにミカンに付着したままになっていたとみられることで、今回の事故につながったということです。
 何よりも生徒らがすぐに回復したことが、不幸中の幸いだといえます。
 ミカンの皮むきの実験は教師用の教材にも掲載されていますが、教材の発行元によるとこのような事故が発生したのは聞いたことがないということ。
 今回の事故は偶発的なものとみられますが、理科実験を「危険」と見なして一律に否定的な態度になることは、決して望ましいことではありません。一方でこの事故の教訓を明らかにした上で、同様の実験に対する注意事項を徹底し、同種の事故の再発を未然に防いでいくことも重要になってきます。

薬品で薄皮むいたミカン食べ、中学生13人検査入院〔『asahi.com』2007/7/12〕
 石川県加賀市の市立山中中学校(畠中雅一校長、生徒258人)で、理科の実験に使ったミカンを食べた生徒13人が、のどの痛みや腹痛を訴えて検査入院したと、同市教委が12日発表した。いずれも軽症で同日退院した。
 同校などによると、11日午前の授業「選択理科」で、1年と3年の計32人が希塩酸と水酸化ナトリウムを使ってミカンの薄皮をむく実験をした。実験後にビーカーの水に浸したミカンに、中和したかを調べるフェノールフタレイン溶液を1滴垂らした。水洗いした後、講師が「食べられるよ」と話し、ミカンを食べた生徒27人のうち13人が「のどがイガイガする」「おなかが痛む」などの症状を訴えた。
 13人は加賀市民病院に検査入院。胃カメラで炎症がないことを確かめて12日に退院した。
 生徒ののどの痛みは水酸化ナトリウム、腹痛はフェノールフタレインが十分洗い流されずミカンに残っていたためとみられる。フェノールフタレインは理科の実験でアルカリ性かどうかを判断する際に使われる薬品。粉末は劇物とされる。
 この実験は、東京書籍発行の教師用教材「おもしろ実験・ものづくり事典」に掲載され、身近なものを使って理科への関心を深める狙い。教材には「終わったら食べられるというのもいいですね」との表現がある。
 学校側は「指導した講師は薬品で中和を確かめた後、生徒たちがどの程度水洗したかを把握していなかった」と説明。東京書籍広報室は「02年から出版しているがこんな事例は初めて。内容について著者と連絡をとりたい」としている。

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