セクハラ教諭の懲戒免職撤回裁決

 兵庫県西宮市立高校で「音楽系の部活動の指導中、女子生徒の体を触るなどのセクハラ行為を繰り返した」として2004年に懲戒免職になった教諭について、西宮市公平委員会が懲戒免職を取り消して停職6ヶ月に修正裁決していたことがわかりました。
懲戒免職から停職に 西宮・セクハラ高校教諭〔『神戸新聞』2006/2/17〕

 セクハラ行為で体調を崩す生徒や退部する生徒が出たにもかかわらず、教諭は「部活動のためにおこなった、体をほぐすためのマッサージで他意はない」などと主張し、懲戒免職を不服として申し立てていたということです。
 西宮市公平委員会の調査でもセクハラの事実認定を覆すことはできなかったものの、他府県の例も参考にして「懲戒免職は重すぎる」と判断して停職処分に修正裁決したということです。
 生徒にセクハラをしたのは事実にもかかわらず、「処分は重すぎる」と認定した西宮市の判断は、とうてい理解できるものではありません。
 セクハラで傷ついている生徒がいるのです。被害生徒は今でも、セクハラ行為がおこなわれた場所に近づけないという後遺症を負っていると聞きます。
 「偶発的に体がぶつかったなどというわけではなく、意図的に体に触れることを繰り返した」という事実は、教諭本人も否定できず、また西宮市公平委員会もセクハラという認定を覆したわけではありません。
 懲戒免職処分を受けた教諭が不服を申し立てた結果、修正裁決されて復職するという事例は、最近増えたような気がします。
 例えば2005年3月には、生徒への悪質な暴力を長年繰り返したとして懲戒免職になった北九州市立中学校教諭・林壮一郎が、暴力は事実にもかかわらず「処分は重すぎる」という今回と似たような理由で不当に復職をかちとったという問題もありました〔北九州市の問題の詳細はこちら〕。また2005年12月には大阪府で、酒気帯び運転で懲戒免職になった大阪府立高校教諭と大阪府内の市立小学校教諭がそれぞれ、申立が認められて復職しました。
 西宮市公平委員会も「教諭がうるさいから…」とでも考えたのかもしれませんが、こんな不当なごね得が許されるわけがありません。西宮市公平委員会は被害生徒のことを考え、「加害教諭の行為で、生徒を深く傷つけた」という事実を直視し、懲戒免職を撤回しないという結論を出すべきでした。絶対に許されないような犯罪的行為をおこなって懲戒免職になりながら、それをあたかも正当な行為かのように主張し、懲戒免職を不服としてごねるという発想自体が、とんでもない逆恨みなのです。
 また「教師の立場を悪用して、生徒に対して卑劣な人権侵害行為を繰り返し、生徒を傷つけた」という、教師が一番してはいけない行為を平然と繰り返した以上、このような加害教諭にはそもそも教員を続ける資格はありません。それなのに加害教諭が、被害生徒のことを考えずに不服を申し立てたこと自体が、人として恥ずかしいことなのです。
 西宮市教委は「再審請求が可能か検討する」としています。このケースはなんとしても再審請求をおこなうべきケースです。間違っても、「生徒に対して悪質な暴力を長期にわたって繰り返したとして懲戒免職になったものの、不当にも復職の修正裁決が下った中学校教諭に対し、再審請求すらせず、また何の研修措置も受けさせずに復職させた」という、かつて北九州市教委がおこなった、被害生徒・市民無視の失敗を繰り返してはいけません。

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