大阪府教職員の評価制度の状況

 大阪府(大阪市・堺市を除く)の公立学校では、教職員を5段階評価して能力給に反映させるシステムが実施されています。このたび2006年度の評価状況がまとまりました。

 上からS、A、B、C、Dの5段階評価を校長がおこなうということですが、95%以上の教員がAとBの評価に集中しています。
 能力給制度に反映するということは、正常な評価制度に影響を及ぼすおそれもあります。また評価の基準も不透明です。そもそも教育の性質上、ひとつの尺度での評価が難しい側面もあります。
 教職員組合などは「校長へのごますりが増える」と指摘していますが、そういうことも起こりかねません。また逆に校長の方にも、「下手な評価をすれば学校運営に影響が出る」という心理が働くことも考えられます。
 教職員が自らの教育実践について定期的に振り返ることができるようにすることは、当然必要です。しかし能力給と連動した評価では、そういう適正な評価にはなり得ないのではないかと思います。

府教委:教職員「能力給」導入 ボーナスに反映するが…大半がAとBに集中 /大阪〔『毎日新聞』2007/6/9〕
◇教職員の5段階総合評価
 府教委は8日、府内の全教職員(大阪、堺両市を除く)を5段階評価する「評価・育成システム」の06年度の結果を発表した。今年度から導入する「能力給」に基づき、今月末に支給するボーナスに反映させる。評価は、上からS、A、B、C、Dの5段階で、全体の95%以上がA、Bに。ボーナスで最大7万円前後の差が出る見通しだが、大半が特定の段階に集中している実態が浮き彫りになった。【坂口佳代】
 同システムは、教職員約3万5000人が対象。年度当初に個人目標をそれぞれ設定し、達成状況を自己申告。これに校長の評価を加えて5段階で総合評価する。
 Sは「著しく高い業績」▽Aは「目標を上回っている」▽Bは「おおむね目標に達している」▽Cは「目標に達していない」▽Dは「著しく低い業績」--に区別されている。
 府教委によると、5段階の分布(%)は、市町村立学校(大阪、堺両市を除く)は、S0・9▽A40・8▽B57・3▽C1・0▽D0・0。府立学校は、S2・6▽A38・8▽B57・7▽C0・8▽D0・1だった。各段階の分布割合を決めない絶対評価のうえ、能力給に反映されることから、前年度に続きAとBに集中したとみられる。
 06年度の評価結果に対する苦情は、府立学校で47件あった。同システムや能力給の導入を巡っては、教職員組合が「ごますりが増える」などと反発している。府教委は「評価の信頼性を保つため、校長には客観的に評価するよう求めている」としている。