広島皆実高校サッカー部「体罰」事件、加害者擁護の動きも

 広島県教育委員会は2007年6月8日、顧問を務めていたサッカー部で「体罰」を加えたとして、広島県立広島皆実高校(広島市南区)の男性教諭(46)を戒告処分にしました。

 発表された事実関係としては「この教諭は日常的に生徒に暴力を加え、少なくとも3回の『体罰』をおこない、3人の生徒が頭を殴られるなどした」というものです。
 この「体罰」事件については当ブログにも「この『体罰』事件を擁護している、関係者のブログがある」という情報が寄せられ、そのブログに目を通し、事実関係について注目していました。個人ブログだけをソースに問題を論じるのは難しいと判断していたので記事にすることは控えていましたが、県教委から公式に処分が発表されたので、記事にしてみます。
 問題のブログはこちら。広島皆実高校サッカー部のファンが開設しているブログのようです。
 このブログでは、このような書き出しで始まっています。

色々とうわさを耳にされている方も多いのではないでしょうか?
簡単に説明をさせてもらうと、一部の保護者の方から教育委員会に直接、鯉迫先生の体罰の訴えがありました。
体罰の内容は差し控えさせていただきますが、本人にとっては大変辛い思いをしたようです。
体罰があったことは事実ですので鯉迫先生は潔く事実を認められました。
その上で保護者会でも謝罪をされました。
しかし、事前になんの話し合いの場もなく、もちろん保護者の方々もほとんどの人がなにも知らない状況で直接教育委員会に話が行っているため処分が重いものになるようです。
サッカー部を外されるだけでは済まないと考えられます。
そして、サッカー部にも影響が出てきています。
現在顧問の先生は、藤井先生一人です。このままではBチームは遠征に行けず、練習試合も減り、チームの強化に確実に影響が出てきます。
そして3年生の進路にも影響が出てくると思います。
新しい顧問を・・・という話が出ているようですが、それは絶対に無理です。
早くとも来年以降。それまでの1年間は影響が出ますしその後に続く選手たちにも影響が出ることが考えられます。
3年生にとっては大事な最後の1年・・・・・
このような影響が出ることがわかっていて直接教育委員会に訴えたのかどうかは定かではありませんが、私はちょっとやり方がまちがっていたのではないかと思います。

 いつもの「体罰」擁護派のパターンながら、まるで「被害を訴えた生徒と保護者が悪い」と逆恨みしているような論調です。
 また、「教諭が顧問を外されることでサッカー部の活動に影響が出る」というのなら、反省は教諭本人に求めるべきでしょう。暴力は不問にして、暴力被害を訴えたからこのような影響が出たとは、卑劣きわまりない責任逃れであり、結果的に「生徒と保護者が悪い」と主張しているということ以外に解釈できません。
 「体罰」の事実をどこに訴えようが関係ありません。学校に訴えるのも正当だし、教育委員会に訴えるのも正当です。また「体罰」は外部機関に訴えられても文句は言えないような暴力・人権侵害行為です。教育委員会への訴えをまるで「怪文書配布」と同列に扱うような筋合いはありません。
また別の箇所では、このような文章があります。

感情的になっても仕方ありませんし、先生一人を監督から外したってなんの解決にもなりません。
当事者の方々はこれで解決したと思われているかもしれませんが、もっと周りを見ていただきたいと思います。
他の選手たちの事、あとに続く選手たちの事を考えてほしかったなと思います。
このようになった原因は、保護者同士・そしてチーム内・チームと保護者のコミュニケーション不足があると思います。

 「感情的になっても仕方ありませんし、先生一人を監督から外したってなんの解決にもなりません。」という一文だけは、当然でしょう。ただし、どういう方向で対応するかが重要です。根本的な問題は「該当教諭が生徒に暴力を加えた」ということです。暴力の再発防止のために何をしていくかが重要です。
 「他の選手たちの事、あとに続く選手たちの事を考えてほしかった」というのは、決して「体罰」被害を訴える生徒たちに共感し、ほかの生徒らへの被害を未然に防ぐ立場からのものではありません。文章全体を読むと、事実上「ちくった奴がサッカー部に混乱を持ち込んだ」というでたらめ・うそを意図的に流している、悪質な逆恨みに過ぎません。
 「このようになった原因は~」の一節では、すべてを生徒と保護者のせいにし、加害教諭の暴力行為には一言も触れられていません。原因は「加害教諭が暴力を加えた」こと、ただひとつしかありません。
 感情的になっているのはこのブログ主と暴力支持派ですし、「もっと周りを見ていただきたい」というのは彼らにこそ該当します。そもそも問題の根本は、該当教諭の「体罰」・暴力であることはいうまでもありません。
 処分軽減を求める嘆願書も集められた様子です。ブログで公表している嘆願書の内容いわく

「鯉迫勝也の生徒への頬への平手打ち・頭への平手打ちをした行為につきましては、本人の意思は、生徒を鍛えようとする気持ちが強すぎたためであったことを本人から確認いたしました。つきましては同人に対して寛大な処分をされますようお願いいたします。」

 全くの噴飯ものです。結局、「生徒を殴って何が悪い。問題視するのがおかしい」と言っているに等しいことです。「生徒を鍛えようとする気持ちが強すぎた」?ばかばかしすぎる言い分です。そんなことをおこなっても生徒の資質は向上するわけがありません。
 また、問題の教諭は「いい先生」だったということも支持者が強調していますが、「いい先生」ならばなぜ暴力をふるったのかを検証し、同様の事件の再発防止にはどうすればいいのかという立場に立つことが求められます。
 その検証抜きに感情的に「いい先生」うんぬんと騒いでも、結局は暴力を肯定し、教諭を「生徒から陥れられた冤罪被害者」と描き、「暴力を訴えた奴が悪い」という感情的悪罵を投げつける形で被害者への攻撃に加担する形になることは言うまでもありません。
 当然のことながらこのブログの内容については、良識的な保護者らからの批判コメントも寄せられています。批判は「体罰=暴力を容認する事に賛成の意味を持つ事を皆、理解されておられるのでしょうか」「原因は鯉迫監督の体罰をしたという事実が一番の事の発端だと思います。それが何故、保護者同士・そしてチーム内・チームと保護者のコミュニケーション不足が原因とSAYOCHONさんが思われるのかとても不思議です。皆実高校サッカー部内でちゃんとコミュニケーションが取れていれば、鯉迫監督の体罰は起こらなかったのでしょうか?」「暴力という行為は許せないのが社会のルールであります」など、至極当然で冷静なものばかりです。
 しかしこの管理人含め暴力支持派は都合が悪いのか、「体罰」を批判する書き込みを「脅迫めいた」「感情的」と一方的に断言しています。いったいどっちが脅迫的で感情的なのか…。暴力支持者の方がよほど脅迫めいていて感情的としか思えません。
 また暴力支持派が被害者や関係者へのあらぬ噂を広げていることも、暴力支持派のブログだけ見ても浮かび上がってきます。きわめて危険なことです。