無理難題への対策も

 『asahi.com』2007年6月4日配信記事によると、『保護者からの無理難題、悩む教師 教委が対策指南書』と題する記事で、無理難題を押しつける保護者に対する対応策の手引きを作る動きが、全国的に広がっているということです。

 一言で「保護者からの無理難題」といっても、個別の内容を見て具体的に対応しなければどうしようもありません。
 正当な方法でいじめや教師の暴力事件などへの対策を求めた親に逆恨みして、教師や学校にとって不都合だからといって「クレーマー」に仕立て上げるというケースもあるので、そういったケースは除外して考えなければならないのは当然です。
 極端な例だと、例えば福岡市の人種差別的児童いじめ教師・林田真二のように、児童に対していじめ行為・暴力行為を繰り返していたことがばれたら「クレーマー保護者のでっち上げとそれに追従したマスコミによって陥れられた」などと自己正当化を行い、林田の言い分に追従したマスコミと組んで書籍を出版し、被害児童と保護者を「うそつき・クレーマー」呼ばわりして全国規模で二次被害を与えているという例があります。不正や被害を正当に告発した人に対して、気に入らないから・不都合だからといって何でもかんでも「クレーマー」のレッテルを貼り付けて攻撃をおこなうという、二次被害を与える人権侵害の風潮とは一線を画さなければなりません。
 もちろん逆に「いかなる場合でも教師が間違っていて保護者が正しい」というのも、成立しません。
 記事で紹介されている例として「給食を全部食べるよう指導した児童が帰宅後に腹痛を起こして以来、親が「能力不足、担任をかえろ」と要求し続ける。」という例が紹介されています。この例では「食物アレルギーなどの配慮なしに強制することを日常的に繰り返した」という背景が仮にあったのならば別ですが(給食での異常な指導が「体罰」・「人権侵害」と認定された例もあります)、そうではなければ無理難題といえるのではないかといえます。
 ほかにも「家に電話して母親を起こしてほしい」とかいうものもあるということです。これは明らかに無理難題というしかないものであり、保護者の主張には同意できません。
 無理難題を言う親が増えている背景について「高学歴の親が増えた」「教師の地位が相対的に低下した」「少子化で親子が依存し合う関係」という見方もあります。確かにそういった要因もあるのかもしれませんが、ほかにも「親自身が子ども時代に『体罰』や管理教育などで学校・教師から嫌な思いをさせられた体験から、学校への不信感を持っている」などの要因もあるのではないかと推測します。
 ほかにも「言った者勝ち・やった者勝ち」の社会風潮も影響を与えているのではないかと考えられます。もっともこの風潮は、無理難題を言う親だけではなく問題教師にも該当しますが。
 いずれにしても、まじめな教師がのびのびと仕事ができるようにしていく環境を作っていくことも大切です。また通常の場合、保護者と教師は敵対関係になるようなものではありません。よりよい教育条件を目指して協力できるような体制を作っていくためにも、よりよい方向での打開策が求められるといえるでしょう。