「君が代」不起立で処分差し止め訴訟:東京

 3月19日に開かれた卒業式で「君が代」斉唱時に起立しなかった東京都公立学校の教諭2人(都立養護学校教諭・町田市立中学校教諭)が、懲戒処分を受ける可能性があるとして東京都教委を相手取り、処分の差し止めを求める訴訟を起こしました。2人の教諭は過去にも「日の丸・君が代」不起立で停職処分を受けています。

 そもそも「君が代」不起立は処分に値しないものです。教師の適性とは全く関係のないものに言いがかりを付けて、教師を排除するなどあってはいけません。
 仮に卒業式を実力で妨害したでもいうのなら話は別でしょうが、そんな事実はどこにもありません。「日の丸・君が代」反対を理由に式を妨害した事件など、歴史的にも聞いたことはありません。そもそも仮に「日の丸・君が代」反対を理由に実力で式を妨害する輩がでたとすれば、「やっていることは強要派と同じ」として強要反対派が一番激しく批判するでしょう。常識的に考えれば、不起立が「実力での妨害」にはなり得ないでしょう。起立強要の方が卒業式への妨害行為です。
 また不起立は思想信条の問題であり、起立を強要することは憲法違反です。不起立の教師も、不起立を他人に強要しているわけではないし(不起立強要の事実など歴史的にも聞いたことはない。不起立強要があるかのように強要派が描くケースもあるようだが、私の知る限り強要派の行為の正当化を図るための虚構に過ぎないケースしかない)、何の問題もありません。
 またある調査では、「日の丸・君が代」そのものに対して賛成・反対に関わりなく、大多数の人は強制はよくないと考えています。また「日の丸・君が代」の強制は、国旗・国歌法の主旨や政府見解にも反する反民主主義的な行為です。
 だいたい、卒業式を含む学校行事は生徒の自主性を尊重するものと学習指導要領で定められています。卒業式の運営についても、生徒を中心とした学校の自主性によって作られるべきです。行政として「日の丸・君が代」を押しつけるのは学習指導要領にも反します。「日の丸・君が代」を一方的に強要し、従わないものを処罰するという都教委の行為こそが、卒業式への悪質な妨害行為だといえます。
 「日の丸・君が代」問題での東京都教委の激しさ・悪質さは群を抜いています。「日本国憲法には思想信条の自由が定められている」と教えた社会科教師を「日の丸・君が代への妨害」と難癖をつけて処分した例すらあります。特に問題のない教師に難癖をつけて排除するような東京都の教育行政は、反民主主義的であり明らかに間違っています。
 この教師についてもそもそも処分の理由すらなく、新たな処分を下す必要もありません。また過去の処分も撤回されるべきものです。処分差し止めは当然であり、裁判所が良心的な判断を下すことが期待されます。