滋賀県立北大津高校集団暴行訴訟、大津地裁判決

 滋賀県大津市の県立北大津高校で2001年10月、当時1年生だった空手部員の男子生徒が、部活動中に同じクラブの生徒7人から集団暴行を受ける事件が発生しました。被害生徒は一時意識不明に陥り、その後意識は回復したものの右半身不随や高次脳機能障害・視力低下などの重大な後遺症が残っているということです。

 この事件について被害生徒と両親が、加害生徒と滋賀県を相手取って起こした訴訟について、大津地裁は2007年3月19日、加害生徒のうち4人(残りの3人については和解が成立)と滋賀県に対して合計1億4000万円の損害賠償を命じる判決を下しました。加害生徒の保護者への請求は退けました。
 この事件については、集団暴行以前から被害生徒に対して継続的ないじめがおこなわれていました。いじめの痕跡に気付いた両親が顧問教諭に相談していましたが、顧問教諭は注意を払うことがありませんでした。その後顧問教諭が不在の時に集団暴行事件が発生したということです。
 滋賀県は「事件の発生を予見できなかった」として争っていましたが、判決では被害生徒の両親が教諭にいじめを相談していたことなどを理由に退けました。
 そもそも、滋賀県が被害者と争ってきたことが遺憾なことです。本来なら滋賀県としても被害者の立場で対応していれば、裁判にまではいかなかったでしょう。本来ならば困っている住民を守り支援することに存在意義がある自治体が住民に敵対する形になって、被害者に余計な苦しみを与えるようなあり方は残念で、もっと早く解決しなかったとかという思いがあります。しかしそれでも、判決そのものは当然の結果だといえます。
 両親は判決を受けて「県はこれで決着にして、もうこんな事件を繰り返さないようにしてほしい」とコメントしているということです。全くその通りだと思います。滋賀県が控訴を断念し、また同様の事件の再発防止策がとられることを、切に願います。