神戸高校いじめ事件で被害者が提訴

 兵庫県立神戸高校の軟式テニス部で発生したいじめ・暴力事件の被害者生徒とその両親が、「精神的ショックを受けた。加害者には謝罪も誠意もない」として、加害者を相手取る訴訟を1月30日に起こしました。〔『朝日新聞』2007/1/30〕〔『産経新聞』2007/1/30

 新聞報道では一貫して発生場所は伏せられていますが、2006年10月に問題が大きく報じられた当時の新聞記事での「灘署が書類送検」「事件の起こった学校は兵庫県下有数の進学校の県立高校」などといった断片的な表現などから、他の資料とつきあわせると神戸高校であることが特定できます。
 被害生徒は事件の精神的ショックで、突然意識を失ったり歩行困難になるほどに追いつめられました。
 学校側は、加害者と被害者が校内ではち合わせさせないようにするため、加害者に対して登校時間を指定したり校内での行動を制限するなどの措置をとっているということです。しかしこの措置は学校側が積極的に踏み切ったものではなく、警察や弁護士から指摘されて初めて踏み切ったということです。
 また被害生徒側は学校に対して加害者の退学処分を求めましたが、学校側は停学5日・部活動禁止4ヶ月の処分にとどまっています。
 また被害生徒へのいじめは、小中学生の頃から継続しておこなわれていたとも報じられています。いじめの内容も、集団暴行と言い換えてもいいほどの悪質なものです。
 加害者に反省も誠意もないというのは、いじめ事件をはじめとした学校・教育関連の暴力事件や人権侵害事件ではよくあることといえども、断じて許されることではありません。被害者にとっては「加害者が無反省な態度をとる」ことそのものが、二次被害にほかならないことです。
 裁判所が常識的な判断をおこなって加害者の態度の誤りを指摘し、被害生徒側の主張を全面的に認定することが、強く期待されます。このことは、被害生徒の心身の回復へのきっかけのひとつとなり得ます。
 またこの問題は、被害生徒やその家族らの個別の問題にとどまりません。「いじめを許さない」「加害者の開き直りや無反省を許さない」という世論を少しでも前進させるためにも、裁判所が被害生徒の主張を全面的に認定することが期待されます。

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