児童に暴力の校長に処分:奈良県教委

 「2006年11月、給食を粗末にしたとして児童に暴力を加えてけがをさせた」として、奈良県教育委員会は1月15日付で、三郷町立三郷北小学校の校長を戒告処分にしたと報道されました。

 事件の事実関係は、「給食時間中に給食で遊んでいたとして、その場で担任教諭が注意。担任教諭から報告を受けた校長は翌朝、その児童が登校してきたところを見つけて校門前で児童を引きずって尻をたたくなどした。その際にけがをさせた」というものです。
 「体罰」・暴力事件が発生すると、学校という強者は絶対的に正しいという思考停止状態の元、加害者を擁護するものが多く現れるというのは、いつものことです。他の「体罰」・対生徒暴力事件でも擁護派が現れますが、事件前の事実関係からみて今回のケースは「体罰」・暴力肯定派にとっては、「体罰」・暴力正当化にはとりわけ好都合な事例らしい。「給食を粗末にした」ことを最大限に悪用して暴行を免罪するという論調も目立ちます。
 しかし、「児童が給食を粗末にした」ことと「校長の暴力」とは、分けて考えなければなりません。「給食を粗末にしたから暴行を加えてよい」ということには単純に結びつけられません。
 当サイトでは事件発覚時点でもこの問題を記事にしました。当時のエントリでは、《「食べ物を粗末に扱ったこと」について強く指導するという主張自体は別に構いません。しかし暴力の行使で「指導」したつもりになっているのが、教育にあるまじき発想の貧困さを表しています。》《強く指導する=「体罰」ではありません。「体罰」に頼らない指導方法はいくらでもあります。》と書きました。すなわち、児童の起こした行為への指導は別の方法でおこなうべきで、食べ物の扱いへの指導と暴力を短絡的に結びつけるべきではないという視点です。
 にもかかわらず「食べ物を粗末にしていいと当サイトが主張している」とでも曲解したのか、該当エントリのコメント欄に暴力を正当化する主張を投稿する者も、他の「体罰」・暴力事件を取り上げたエントリと比較して目立ちました。さすがに、言いがかりを付けたいだけだと考えられるようなあからさまな中傷は削除しましたが、このような中傷には虫唾が走ります。「目的が正当ならば(より厳密には『正当な目的だと、行使する側が判断すれば』)暴力をふるってもいいし、けがをさせても関係ない」という発想は、きわめて危険です。