大阪府での小中学校教員不足、授業できない例も

 大阪府内の公立小中学校の校長と教頭で組織する「大阪府公立学校管理職員協議会」(大管協)の調査で、大阪府内の小中学校で産休や病休の代替講師が不足して確保が困難になっていたり、現職教員が他県に流出する例が増加していることがわかった。

 毎日新聞(ウェブ版)2014年4月10日付『大阪府:小中教員不足深刻、講師足りず…授業3カ月無し』が報じている。

 記事によると、講師が必要になってから1ヶ月以上担当者が決まらなかった例が、少なくとも大阪府内101校で発生していた。

 また講師の確保が困難になって授業などに影響が出ているとして、以下のような具体例が指摘されている。

 茨木市の中学校では昨年10月、50代の男性教諭(技術)が急死。すぐに市教委に講師派遣を依頼したが見つからず、今年1月までの3カ月間、2時間続きの授業の1時間を他教科に振り替え、1時間を自習にした。校長は、「学力向上と言われても、現実は学習指導要領をきちんと習得させられない法令違反の状況だ。教員が一人でも倒れれば物理的に成り立たず、ぎりぎりのラインをもう超えている」と窮状を訴える。

 高槻市の中学校では、産休の代替として70代の女性講師(家庭科)を配置。校長は「高齢なので心配はあったが林間学校にも行ってもらった。指導は熱心で、来てもらえるだけありがたい」と話す。

 吹田市の中学の男性講師(英語)は、定年まで役所に勤めた後、60代で初めて教壇に立った。新任教諭には年間25回の研修が課されるが講師にはないため、教頭らが自主的に授業を見て助言したという。

 背景としては、この20年ほど新人の採用抑制をしていたところに団塊世代の大量退職が重なり、若手の養成が追いついていないことが挙げられている。これは全国的な傾向だといわれているが、大阪府の場合はそれに加えて、橋下・松井と2代続く維新の府政になってからの「教育基本条例」や「君が代」強制など教育介入が強まったことでの待遇の著しい悪化を嫌い、中途退職したり、機会や条件があれば他県の教員採用試験を受験し直して転出する教員も目立つという。

 特に若手世代を中心に、大阪府から他県に転出する教員は年々増加しているという。大管協の調査では少なくとも、2011年度5人、2012年度24人、2013年度39人の教員が他県に転出したとされている。

 また教員志望の学生も、大阪府を敬遠して他県の採用試験を受験したり、大阪府の採用試験に合格しても辞退する例も目立つという。教員採用試験は一時期に比べれば校種や教科によっては倍率はやや緩和したものの、依然として狭い門である。

 教員志望者は自分の夢をかなえるのが困難な状況のもとで、多少条件が悪くても夢をかなえられるならという心理が働くことは、それに対する第三者的な価値判断は別としても、志望者本人がそう思っても不思議ではない。しかしそういう心理の上でも、受験敬遠や合格辞退なども生まれている。これは、それだけ大阪府の教育状況がひどいことの現れだといえる。