教科書無償措置法改正、沖縄県の地元紙2紙の社説

 2014年3月2日付の『沖縄タイムス』と『琉球新報』の沖縄県の地域紙2紙の社説ではそれぞれ、教科書の無償措置法改正の問題を取り上げている。


 両紙とも、県内の八重山地域で起きた、竹富町での育鵬社教科書押し付けの問題を批判する形で、政府の改正案の危惧を表明している。
 竹富町の教科書問題は、教科書の採択協議会で「つくる会」系教科書支持の一部委員が、中学校社会科公民的分野(主に3年生向け)について、会議では採択候補にもあがっていなかった育鵬社教科書を強引に採択する答申をおこなったことに始まる。
 八重山採択地区を構成する3自治体のうち、石垣市と竹富町では育鵬社版の教科書を採択した。一方で竹富町は採択協議会の手続きを疑問視し、教科書採択権が自治体にあるという地方教育行政法の規定をもとに、現場からの希望が高かった東京書籍版を使用することにした。
 一方で教科書無償措置法では、同一採択地域内では同一教科書を採択するという規定もあり、法律の間で矛盾が生じる形になった。育鵬社版の教科書を押し付けたい政府側は竹富町を一方的に違法状態と決めつけ、圧力をかけ続けている。
 無償措置法改正案も、法律の規定を修正する名目で、竹富町の措置を明確な違法状態にしようとする圧力が背景にあるとみられる。
 政府の動きに対しては両紙とも、「無償措置法に照らせば、石垣市と与那国町も違法状態にあるといえる。竹富町のみに是正を求めるのは、筋が通らないのは明らかだ 」(沖縄タイムス)、「現行の無償措置法に「採択地区協議会」の文言はない。改正案は条文にそれを入れ、あいまいだった協議主体を採択地区協議会と明確化し協議ルールを整理したことが要点だ。改正案が、中学公民教科書で保守色の強い育鵬社版を採択した八重山採択地区協議会を援護し、育鵬社版を拒否している竹富町教育委員会に法的な縛りをかけようという狙いがあるのは明らかだ。」(琉球新報)と批判している。
 両紙の指摘は、的を得ていると感じる。圧力を掛けるために法改正で正当化するのは問題であろう。