大阪市立幼稚園廃止問題、2014年以降も引き続き課題に

 大阪市立幼稚園の廃止・民営化問題は、2013年には14園の廃止・民営化を大阪市会で否決したものの、2014年にも引き続き課題となると見込まれる。

 橋下徹大阪市長は、市立幼稚園59園全ての廃止や民営化を打ち出した。一部については廃止し、残りについては民間に移管する形を構想しているという。当初は一気に全園廃止・民営化を検討していたものの、第一次案として2015年度より、19園の具体的な名前をあげて、廃止や民営化をするという案を出した。

 大阪市の幼稚園については、明治時代初期以来の教育活動を有し、幼児教育や幼稚園が日本でも最も古くから導入された地域の一つでもある。日本の教育史にとっても重要な位置づけを占めている。

 しんぶん赤旗2013年12月30日付『揺れる維新政治 大阪市の幼稚園廃止・民営化 19園中14園を否決 保護者や住民の24万超署名が力』(web版には記事なし)によると、大阪市の幼稚園教育については以下の特徴があると指摘されている。

 130年の歴史をもつ市幼児教育は、要支援児をはじめすべての子どもを受け入れ、経験豊かなベテラン教諭の存在と充実した研修で子ども一人ひとりに合わせた保育を実施。「大阪と日本の宝。公私あいまって高い水準を維持している」(佐藤哲也宮城教育大学准教授)といわれています。市民の寄付でつくられた園も多く、保護者が送迎するため園や地域とのかかわりが強いのも特徴です。

 しかし橋下市政のもとで幼稚園教育を一気につぶそうとし、保護者や地域から強い反対の声が起きた。

 廃止や民営化に反対する保護者は、「遊びが中心の、のびのびとした保育がいいと市立を選びました。公立という選択肢をなくさないでほしい」「障害を持つわが子は私立でことごとく拒否され、最後に受け入れてくれたのは市立だった」(いずれもしんぶん赤旗2013年12月30日付)と、大阪市に対して訴えた。

 しかし橋下市長はさらに、1行政区当たり少なくとも1幼稚園を廃止か民間移管にすることや、「公立の幼稚園は人件費が高い」などとして保育料を私立並みに値上げすることなど、幼稚園制度の改悪を打ち出した。

 市民からは合計24万人以上の幼稚園廃止反対署名が提出され、2013年11月の市議会では、19園のうち14園については橋下市政与党の大阪維新の会以外の全会派(自民・公明・民主系「みらい」・共産)の反対で廃止・民営化案が否決された。一方で自民・公明・民主系の3会派は5園については廃止・民営化やむなしと判断し、これについては維新もあわせて、共産以外の会派の賛成の賛成多数で可決された。

 橋下市長は2014年2月議会に、幼稚園廃止の関連議案を再提出する姿勢も見せている。廃止については一度否決という形で跳ね返したものの、廃止の危機自体はまだ去っていなく、火種が残っていることになる。

 今後の動きが正念場になってくる。