養護学校性教育介入訴訟:弁護士の解説記事

 2003年に極右都議3人(当時)が東京都立七生養護学校(現七生特別支援学校)の性教育を問題視したことを機に、東京都教委や産経新聞と一緒になっての教育への攻撃・介入が行なわれた問題。教職員らが訴えた訴訟では、産経新聞の責任や没収された教材の返還など一部については棄却されたものの、都議らの政治介入を認定する判決が2013年11月に最高裁で確定した。この問題について『弁護士ドットコム』が弁護士の解説記事を出している。

 『「知的障害者の性教育」批判に賠償命令――教育への「不当介入」とされたワケ』と題する2013年12月26日に配信された記事。
 記事では、性教育については学習指導要領にそもそも具体的な明示がないとして、比較的幅広いやり方が認められているとみなして差し支えなく、同校での教育実践は学習指導要領違反には当たらないと解説している。
 また問題とされた教育実践が、知的障害児に具体的に理解させるために具体的な教材を工夫していただった。現場での創意工夫に基づいた教育実践に対して違和感を覚える人がいることは理解できるとした上で、都議や都教委の萎縮させるような言動をしたことは不当な支配にあたるとしている。
 記事での解説は、教育現場の実感に沿った、妥当なものだといえるだろう。
 具体的な教育実践に対して異論が出ることについては、原告側も否定しているわけではない。しかし異論については、現場の実情や教育理論の知見に基づき、実践の中で議論したり、工夫をこらしていくことで認識を深め、発展させたり必要な場合は修正を図っていくことが重要ではないだろうか。
 この事件での都議や都教委の行為は、「自分たちが気に入らないとみなしたものに対して、一方的に政治的圧力をかけて潰しにかかる」という、極めて強圧的なものだった。これは教育現場の中での教育実践の発展の立場とは相容れない、政治的介入と言われるべきものである。
 最高裁でも、全面的とまではいかないまでも、大筋では教育実践を正当と認定し、政治介入を不当とする判決となった。このような政治的介入が二度と起こらないようにしていかなければならないし、教育実践そのものも進んでいくことが期待される。

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