埼玉県議会文教委員会、修学旅行に介入する審議や決議

 埼玉県議会文教委員会は12月17日、埼玉県立朝霞高校が台湾で修学旅行をおこなった際に平和学習を実施したことを問題視し、「県立高校の社会科教育の指導徹底を求める決議」を賛成多数で可決した。

 同校では台湾への修学旅行を実施した際、現地の空襲被害者の体験記を聞く時間を設けたという。またこれに伴い、関連するDVDの視聴などの事前学習も実施した。自民党や刷新の会(保守系会派)の委員が「修学旅行のしおりに記載した内容は、歴史的事実に反する未確定や捏造」「反日思想を思わせる男性の話を聞かせ、贖罪意識を植え付けた」などと問題視し、生徒の感想文を委員会に提出するよう求めた。

 埼玉県教育局は、「学年だよりに掲載するためによくまとまっているものを選んだ」として生徒氏名を伏せた8人分の感想文をパソコンで打ちなおして提出したが、委員会は全員分の感想文の原本コピーの提出を要求した。

 さらに委員会では、教育委員会と県教育局に対し指導と改善を求める趣旨の決議を採択した。自民党と刷新などが賛成し、民主・公明などが反対した。

 公明党は「政治が細部にまで指示することは、政治的介入になりかねない」と懸念を示した。また同委員会に委員がいない日本共産党は「委員が感想文の内容まで踏み込んで審議したことは生徒の内心の自由を侵すもので、断じて容認できない」と強く批判し、決議撤回を求める見解を出した。

 委員会の審議内容や決議は、高校の社会科教育、および修学旅行と事前学習にも、史実を「自虐史観」などと攻撃するいわゆる極右派の立場から、政治的介入を狙うものだと判断できる。生徒の内心の自由や教育の自主性を犯すような、このような決議は断じて許されない。

 埼玉県議会文教委員会には2013年夏にも、多数の教育委員が、実教出版の日本史教科書を採択させないよう妨害し圧力を掛けるような行動をとり、教育介入をおこなっている。それに続く、極めて危険な動きである。

 こういう極右派の暴走を、これ以上許してはいけない。

(参考)
◎県議会文教委、朝霞高の台湾修学旅行を問題視 指導徹底を決議(埼玉新聞 2013/12/18)