「体罰」処分者・前年度比5.6倍に:文科省まとめ

 文部科学省は12月17日までに、2012年度に児童・生徒への「体罰」で処分を受けた教員が全国で2253人いたという調査結果を公表した。

 2011年度と比較して約5.6倍の増加となっている。2013年12月末に発生し、年明けの2013年1月初めに事実関係が公表された、大阪市立桜宮高校の「体罰」自殺事件をきっかけに、事案の把握が進んだことが処分件数の大幅増加につながったとみられている。
 うち「体罰」での懲戒免職は3人となり、公立学校としては2003年以来約9年ぶりに懲戒免職事案が出たことになる。当方の手持ちの資料と照らし合わせると、「体罰」での懲戒免職事案は以下の3件とみられる。

2012年7月13日:神戸市立渦が森小学校・香山昌久元教諭(60)
担任していた特別支援学級で、授業中に解答を間違えると頭をおさつけたりげんこつでたたく、針金とコンセントを見せ「感電させる」などと脅す、給食を食べるのが遅かったとしてカッターナイフの刃を出し「これでお腹を切って給食を入れたほうが早いんちゃうか」と脅すなどの行為を繰り返した。
2013年2月13日:大阪市立桜宮高校・小村基元教諭(47)
バスケットボール部の指導中に生徒に「体罰」を加え、2013年12月に自殺に追い込む。傷害罪などで有罪が確定。
2013年3月29日:宮崎県立宮崎商業高校・菊川慶一元教諭(54)
女子柔道部の顧問として指導中、生徒に暴力行為を繰り返した。当該者はかつて千葉県の市立柏高校に勤務していたが、そこでも2000年と01年に「体罰」事件を起こして停職処分を受けた前歴がある。千葉県の事件後、宮崎県のスポーツ指導者特別推薦枠の教員採用試験に合格して同校に赴任。

 いずれも極めて悪質なものである。
 しかし一方で、神戸市の小学校特別支援学級教諭と、宮崎県立高校教諭は、懲戒免職処分に不服申立てをおこなっている。いずれも事実そのものは認めながらも、「正当な教育的指導であり問題視されるいわれはない」という主張をおこなっているようである。
 また停職や減給にとどまったものの中にも、前述の懲戒免職と判断された事案3件に匹敵するような、悪質なレベルのものも多数みられる。
 「体罰」事案については積極的に発掘し、再発防止策を徹底し、常習的で悪質なものにいはそれなりの厳しい処分も併用しなければならない。単なる感情的な暴力にすぎないのに「教育的指導」面されるのはおかしなことだし、何よりも被害を受けた児童・生徒の心身にも悪影響が出る。また周囲の人間が「体罰」加害者を正当化するような風潮も、なくしていかなければならない。
(参考)
◎懲戒免職が過去最多=公立教員、体罰処分大幅増-文科省調査(時事通信 2013/12/17)
◎体罰で教員処分、過去最多の2253人 実態把握進む(朝日新聞 2013/12/17)

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