暴力で退職した高校陸上部元監督、部員への非公式指導で都大路に

 朝日新聞(ウェブ版)2013年12月13日付で『体罰で退職の豊川工元監督、請われ指導 都大路へ導く』の記事が掲載されている。

 愛知県立豊川工業高校の陸上部で、同部監督だった体育教諭・渡辺正昭氏が指導中、部員に常習的に暴力を加えていたことが発覚した問題。渡辺氏は停職4ヶ月の処分を受けたのち2013年4月に依願退職したが、退職後に部員有志への指導をおこなっていることを記事にしている。

 渡辺氏が指導に携わっていることについては別のメディアが2013年10月に報じていたが、朝日新聞でも報道をおこなっている。

 豊川工業高校は陸上、特に駅伝の強豪校とされ、渡辺氏も駅伝の愛知県代表監督を務めた経験もあるなど、陸上界では定評のある指導者とみられていたという。

 指摘された「体罰」・暴力事件は、低血糖症状を起こしてふらついている生徒を殴って鼓膜損傷のケガを負わせたり、デッキブラシで生徒を殴るなどしたものである。特定の部員を標的にして見せしめ的に殴ったり、「学校に来られなくしてやる」「死に追い込んでやる」などの暴言もあったことも指摘されている。少なくとも生徒2人が、暴力のショックで登校できなくなり不登校や転校に追い込まれた。

 しかしこの暴力事案が報じられると、関係者とみられる者から「暴力は大したことではない。陸上で挫折した者が、自分がうまくいかなかった原因を教師に責任転嫁した」などと気持ち悪い擁護が相次いだ。

 さらに部員や保護者の有志が渡辺氏に非公式指導をあおぎ、学校としての部活動の中に渡辺氏の指導を受けるグループが作られた形になった。渡辺氏の指導を受けるグループが全国高校駅伝の主力となり、豊川工業高校は愛知県予選を通過し、2014年正月に京都でおこなわれる駅伝大会(都大路)に出場することになった。

 スポーツの成績優先なのか。暴力問題は一体どこにいったのだろうか。