私立高校剣道部顧問の暴行で提訴:東京

 東京都港区の私立普連土学園高校の剣道部員だった女性(19)が、在学中に部活動顧問教諭らから暴行を受けて大ケガをし、PTSDも発症したとして、顧問教諭らを刑事告訴し、また教諭や学校側に損害賠償を求める民事訴訟も起こしていたことがわかった。


 事件は2011年7月に発生した。当時高校2年だった女性は、剣道部の夏合宿の際に、顧問の女性教諭に稽古を申し出たところ、「気合が入っていない」「邪魔、帰れ」などとこの生徒を罵倒して、腹を蹴ったり竹刀で頭を殴るなどした。さらに別の男性コーチが、「稽古」と称してこの生徒ののどなど、防具をつけていない部分を執拗にたたいたり突きをするなどした。
 生徒は頚椎捻挫やリンパ節炎など首や足などにケガを負ったほか、不眠などの症状が出てPTSDと診断された。
 また顧問の女性教諭は事件以前にも、この女子生徒に厳しく当たったり、水分補給を禁じた練習を強要するなどしていた。
 学校側は2011年8月に男性コーチを解雇し、また同年9月には顧問教諭を減給処分のうえで休職を指示した。顧問教諭は処分後の2012年3月に依願退職した。学校としては「体罰」・暴行事件の事実関係を積極的に公表しなかった。女性側によると、学校側は被害者側に積極的に対応しなかったとされる。
 被害者の女性は高校卒業後の2013年10月、元顧問教諭と元コーチを傷害容疑で警視庁に刑事告訴した。また2013年11月28日付で、元顧問教諭と学校側を相手取り、約1280万円の損害賠償を求める民事訴訟を東京地裁に提訴した。
 学校側はマスコミ取材に対し、暴力・「体罰」事案があったことは認めた上で、隠蔽の意図はなかったと主張した。
 明らかに悪質な「体罰」事案であり暴行傷害事件である。また隠蔽工作も疑われる事案でもある。被害者の父親は「娘が泣いている姿を見るのがつらかった。彼女の尊厳を回復したい」「娘は自殺を考えるほど思い詰めていた。裁判で事実を明らかにし、二度と同じようなことが起こらないようにしたい」と話しているという。
 学校側は誠実な態度を取り、事実の究明と被害者へのしかるべき対応をすべきではないだろうか。
(参考)
◎「合宿で体罰」元剣道部員が提訴 東京・普連土学園高(朝日新聞 2013/11/28)
◎体罰・PTSD:港区の私立高剣道部で 学園や元顧問を提訴 /東京(毎日新聞・首都圏版 2013/11/29)
◎普連土高の元剣道女子部員「体罰で重傷」と告訴(読売新聞 2013/11/29)