道徳教育を「特別の教科」に?

 文部科学省が道徳教育を新設の「特別の教科」と位置づけ、早ければ2015年度より新たな体制で開始したいという方針を固めたことがわかった。


 現行の道徳教育は、小中学校で週1回の授業が義務付けられている。その一方で、価値観の形成に関わるものであり数値評価になじまないことから、教科としては位置づけられず成績評定なども実施していない。
 安倍政権が右派色が濃くなっていることを反映し、政府筋からは道徳教育の教科化が検討されてきた。教科化した場合、将来的には検定教科書が発行されることになるが、作成・検定には3年ほどかかるため、当面は文部科学省作成の副読本「心のノート」を教科書として使用することになるという。
 そもそも自らの内面の価値観を形成することに、特定の決まった答えなどありえない。道徳教育を教科化することは、特定の価値観を教えたり、特定の価値観にどれだけ近づいたかによって成績評定されるという性格のものである。学問的真理や、少なくとも研究者の間で定説となっているような基本的な内容を学び、その内容にどれだけ習熟したかで評価できる教科とは、性格が大きく違う。
 現行の道徳教育でも弊害が現れている。ツイッターでの典型的な書き込みを紹介する。


 「特別の教科」と位置づけられた場合、このような傾向が加速することは目に見えている。道徳教育の教科化は、子どもを苦しめるだけになる。
(参考)
◎道徳、新設「特別の教科」に…15年度にも(読売新聞 2013/10/17)