八重山教科書採択問題、文科省が不当介入へ

 沖縄県八重山地区の中学校社会科公民的分野教科書採択問題について、文部科学省は9月29日までに、地方自治法に基づき法的に改善を義務づける「是正要求」を出すよう、沖縄県に求める方針を決めた。


 八重山地区の教科書採択協議会は、石垣市・竹富町・与那国町の3自治体から成っている。この問題は「新しい歴史教科書をつくる会」系を支持する石垣市教育長以下一部の委員が、教科書採択協議会に混乱をもたらしてルール無視の手法で強引に、協議会として育鵬社版教科書の答申を決めたことが原因となっている。
 石垣市と与那国町は答申通り育鵬社の教科書採択を決めた。しかし竹富町は、採択協議会での手続きの不備や現場の声を反映し、従来使用していた東京書籍版を引き続き使用することを決定した。
 採択権は現行法でも教育委員会にあり、法的には採択は有効となっている。しかしその一方で、同一の教科書採択地域では同一教科書を使用しなければならないという別の法規定もあり、採択で法的な矛盾を引き起こすことになった。
 3自治体の教育委員会は再度協議をおこない、東京書籍版が妥当と答申した。しかし石垣市と与那国町は採択を変えず、ねじれ状態が続くことになった。
 沖縄県は「竹富町の決定を尊重する」とした。しかし文部科学省は竹富町の行為を不適切と一方的に断じ、教科書無償給与の対象にならないとした。竹富町は町費での教科書購入も検討したが、「政府の圧力を受け入れることになる」として、2012年度以降は篤志家からの寄付の形で町内の中学校3年生に東京書籍版教科書を給付している。
 これは教科書採択制度の矛盾が現れたものであるとともに、「つくる会」教科書を押し付けようとする強引な動きでもある。現場が望んでいない上、内容にも問題がある教科書を無理やり使用させることは、極めて問題である。是正しなければならないのは、文部科学省の対応のほうではないだろうか。
(参考)
◎町独自の教科書採択 国が是正要求へ(NHKニュース 2013/9/30)