廿日市いじめ自殺、生徒のメモ調査委に提出されず:広島

 広島県廿日市市立中学校3年の女子生徒が2013年5月に自殺し、背景にいじめが指摘されている問題で、自殺した女子生徒が残したメモが遺族から廿日市市教委に提出されたものの、市教委事務局から調査委員会には資料が提出されていなかったことが、9月14日までにわかった。


 生徒が部活動顧問宛にあてた手紙が生徒の自宅で見つかり、家族は市教委に資料提供した。市教委事務局は、複数の調査資料を整理し、調査委員会の資料として提出した。その際、この資料が提出資料から漏れた。
 この手紙が調査委員会の資料になかったことに気づいた遺族が問い合わせ、市教委が調べると、事件関係の原本をまとめたファイルの中に保管されたままだったことがわかった。8月19日になり、この手紙を調査委員会に提出した。
 この手違いについて市教委事務局は「受け取り時にリストを作っておらず、資料を把握できていなかった」と釈明したという。
 調査委員会の委員長も務める教育長は遺族側に謝罪した。しかし「市教委が一時メモを紛失した」という経過を公表してほしいとした遺族側の要望に反し、8月19日には「一部資料の提出が遅れた」と記者会見で述べていた。
 北海道滝川市立江部乙小学校いじめ自殺事件(2005年)を連想するような対応である。この事件では、自殺した児童が残した遺書とみられるメモを、校長が目を通し内容をメモに取りながら、後日「メモはとっていない」などと発言した。また北海道教育委員会が、入手した遺書のコピーを紛失していたことも明らかになった。そういうことを思い出してしまう。
 今回の事件でも、資料が調査委員会に出されなかったことが仮に単なる事務上の手違いだとしても、ものがものだけに遺族側にとっては不審感を募らせることになるだろう。
(参考)
◎広島・廿日市市教委 自殺生徒のメモ 出さず(東京新聞 2013/9/14)