維新、実教出版教科書の採択除外求める:大阪府

 大阪維新の会大阪府議団は8月27日、大阪府立高校の教科書採択に関して、国旗国歌法について「一部の自治体で強制の動きがある」という記述がある実教出版の日本史教科書を採択の対象から外すよう、陰山英男大阪府教育委員長に申し入れた。

 維新府議団は8月8日にも中原徹教育長や府教委事務局の幹部と面談し、同様の趣旨を申し入れたともされている。

 維新は、日の丸掲揚や君が代斉唱を義務付けた大阪府の教育基本条例を根拠に、「強制」の記述を含んだ教科書の採択は「府という一つの団体の意思に反することになる」として、この教科書の採択の除外や新しい採択の仕組みの制定を求めたという。

 これこそ、政治による教育介入そのものである。日の丸掲揚や君が代斉唱の義務付け自体が、国旗国歌法の趣旨に抵触する可能性のある違法条例の疑いがある。また行政や政治が主導で教育現場にストレートに介入しようとする、大阪府の教育基本条例の危険性を、策定の中心となった維新の大阪府議団が自らの行動で証明した形にもなっている。

 実教出版教科書採択を排除するために議員が申し入れたことが発覚したのは、埼玉県に続いて2例目となる。また大阪府では府教委が「記述は一面的」という文書を各学校宛に出したことも指摘されている。

 大阪府立高校では9校が、この教科書の採択希望を出しているとされている。

 一部の教育委員会が君が代斉唱を強制していることは事実であり、それ以上の特定の価値判断にかかわる記述をしているわけではない。また当初はもっとマイルドな記述だったのが、文部科学省の検定で「曖昧」と検定意見が付き、よりはっきりした記述に修正して検定を通過したというオチまである。いわば文科省お墨付きの記述でもある。

 しかし、一部の教育委員会や議員が反発して、この教科書を排除にかかるという状況が生まれている。排除策動が明らかになった地域をみると、大阪府・東京都・神奈川県・埼玉県と、いずれも強制がもっとも激しくおこなわれている地域だったというのは、何かの偶然なのだろうか。いや、不法な強制をしているという自覚があるからこそ、不都合な記述に感情的に反発して排除にかかっているのだろう。

 教科書は現場の教員が選定すべきで、行政の意向で採択が左右されてはいけない。希望通りに採択させることが重要である。

(参考)
◎維新府議団、実教教科書除外求める…「不適切」(読売新聞 2013/8/28)