「体罰」・児童いじめで懲戒免職の元教諭が処分取消訴訟提訴

 神戸市立渦が森小学校(東灘区)の特別支援学級で、知的障害を持つ児童に暴力や暴言など「体罰」やいじめ行為を繰り返したとして2012年7月に懲戒免職処分を受けた香山昌久元教諭(61)が、処分取り消しを求めて神戸地裁に提訴していたことがわかった。

 提訴は2013年7月12日付だという。

 元教諭の行為については、「授業中に解答を間違えると『グリグリハンマー』と称して拳を頭部に押し付けて圧迫する」「給食を食べるのが遅かったとして、カッターナイフやはさみをちらつかせ『おなかを切って給食を入れた方が早い』と暴言を吐く」「金属製ハンガーを棒状に伸ばして片方をコンセントに差し込み、もう一方の端を児童の顔に近づけて『感電するやろな』と脅す」などが指摘された。

 保護者が被害を訴えると、直接的な暴力は減ったものの、暴言の回数が増えたという。学校側が指導しても暴力や脅迫的な言辞が収まらなかったとして、2012年7月13日付で懲戒免職処分となった。

 元教諭は、問題視された事実関係そのものは認めながらも、「『グリグリハンマー』は緊張感を持って授業に臨ませるための注意喚起。側頭部に軽く手を当てただけで、『体罰』には当たらない」、「『おなかを切って給食を入れた方が早い』は正当な給食指導の一環」などと主張した。さらに「神戸市教委から一方的に『体罰』と決めつけられた」「児童の年齢や障害などから説明には疑問がある」とも主張している。

 元教諭の行為は事実だが問題視されるいわれはないという、極めて悪質な主張である。
 元教諭が一方的に「体罰」ではないと決めつけたところで、普通に考えれば「体罰」であり、教師によるいじめ・虐待・暴力行為であることは、全く疑う余地がない。

 このような訴訟をおこすこと自体、元教諭は全く反省していないということになる。

 また被害者が知的障害児であることを理由に「証言は信用できない」と逃げようとするのは、2003年に発生した浦安事件(千葉県浦安市立小学校養護学級教諭が担任クラスの女児に性的虐待を繰り返した事件)と同じ構図である。もっとも浦安事件では、被害者の証言が実質的に全面認定され市に賠償を命じる判決が確定している。

 もちろん仮に被害者が健常児だったとしても絶対に許されないが、知的障害児だから証言は信用できないと差別的な主張に持ち込もうとするのは、障害児虐待という観点からも許されないことである。

 いずれにしても、元教諭の主張には何の正当性もない。「騒げば行政は折れるだろう」という脅しを図っているとしか思えない。元教諭の主張を決して認めてはならない。

(参考)
障害児への体罰で免職の教諭 取り消し求め神戸地裁に提訴(神戸新聞 2013/8/27)