『はだしのゲン』閉架問題:戦争加害行為の隠蔽が背景?

 島根県松江市教育委員会が市立学校所蔵の『はだしのゲン』を閉架措置にし、児童生徒が手にとって閲覧できなくなった問題。この問題では右翼が市議会に陳情を出し、陳情そのものは否決されたものの、教育委員会の「自主判断」で措置が取られたことが指摘されている。

 「首をはねたり、女性に乱暴したりする場面」があることが「過激」だと問題にされている。その場面の描写について、もっと詳しいことがネット上で指摘されていた。

 その場面は、主人公のゲンが卒業式で「君が代」を歌うことを強要されたとき、天皇の名のもとにおこなわれた戦時中の日本軍の蛮行を語る場面だということである。民間人の首をはねたり、妊婦の腹を切り裂いて胎児をとりだしたり、銃剣の的にしたりなどの行為をゲンが話す場面である。
 右翼にとっては極めて都合が悪く、抹殺したがっている表現であろう。しかしこれは、南京事件(南京大虐殺)などで報告されている歴史的事実でもある。
 こういう抹殺に加担することは、戦争の事実を隠蔽することにもつながる。こういうことはとても許されることではない。松江市教委は、すみやかに閉架措置を中止して元に戻すべきである。