市立幼稚園廃園・民営化計画を発表:大阪市

 大阪市は8月8日、市立幼稚園の廃止・民営化の第一歩として、2014年度から16年度にかけて8幼稚園を廃止し、11幼稚園を民間移管する方針を発表した。


 廃止は人数の少ない幼稚園から順次おこない、津守幼稚園(西成区)を2014年度(2015年3月)、堀川(北区)・海老江西(福島区)・新高(淀川区)・中本(東成区)・旭東(旭区)・墨江(住吉区)・瓜破(平野区)の7幼稚園を2015年度(16年3月)に廃止するとしている。
 また民間移管は、2015年4月より靱(西区)・野里(西淀川区)・城東(城東区)、2016年4月より桜宮(都島区)・玉造(中央区)・五条(天王寺区)・立葉(浪速区)・榎本(鶴見区)・粉浜(住之江区)・泉尾(大正区)・常盤(阿倍野区)の各園(泉尾・常盤の2園は認定こども園に改編したうえで民間移管)が対象となっている。
 大阪市では市立幼稚園と市立保育所のすべてを廃園もしくは民営化する計画を立てているが、第一次計画として19幼稚園の具体的な名前を挙げた。
 特に2013年秋に募集を停止し、在園生が卒業する2015年3月に閉園することが発表された津守幼稚園では、2007年に廃止計画が出され、保護者や地域住民の反対運動がおこなわれた経過がある。
 大阪市は、西成区での幼稚園の入園希望者の数が定員を下回り、津守幼稚園を廃止しても需要は満たされていると判断した。しかし保護者からは「区全体の数字はそうだとしても、区内の他の幼稚園の立地条件から、津守幼稚園は地元地域や隣接地域では唯一の幼稚園になる。幼稚園の空白地帯になると子育て世帯が住めなくなって地域潰しにつながる」などと指摘が出された。
 大阪市は橋下市政のもと、保護者に対し「保護者が一定数以上の入園希望者を集めれば2013年度(2012年秋)の園児募集をおこなう」と条件をつけた。保護者は地域を回って入園を呼びかけ、市の無理難題を跳ね返して入園希望者を集め、2013年度募集を実現させた経緯があった。
 津守幼稚園の廃園反対運動は、マスコミでも大きく取り上げられていた。わずか1年前の経過を無視して、最初に廃園の対象にするあたりが、橋下市政の典型的なやり方なのだなと感じる。
 園児の保護者は「ほかの幼稚園は遠く、大通りを越えないと通えないので危険。何とか存続してもらえないのか」(読売新聞)、「幼稚園がなくなると若い人も住まなくなる。橋下徹市長は『西成特区』で子育て世帯を呼び込むと言っていたのに、なぜ逆行するのか」(毎日新聞)などと話しているという。
 幼稚園の廃園対象とされた他の地域でも、西成区津守地域と同様の問題に直面することが予想される。
 また民間移管となると、保育料など諸経費が公立園に比べて大幅に上がることや、障害のある子どもなど特別な支援・配慮を必要とする子どもへの体制が十分に取れなくなることも予想される。その意味でも、「まず廃園や民営化ありき」のようなむやみやたらな民営化や廃園は問題であろう。
(参考)
◎大阪市立幼稚園 11園民営化 8園廃止(読売新聞 2013/8/9)
◎大阪市立幼稚園:民営化計画案 津守は来年度末廃園 保護者ら反発 /大阪(毎日新聞 2013/8/9)
◎19幼稚園、廃止や民営化 大阪市、17年4月までに(大阪日日新聞 2013/8/9)