教員免許失効隠し勤務した講師逮捕

 埼玉県警秩父署は8月1日、教員免許の失効を隠し、教員免許が有効かのように装って各地の学校に採用されて勤務を続けたとして、埼玉県の中学校臨時講師だった古畑正仁(53)を教育職員免許法違反容疑で逮捕した。


 古畑は経歴を隠し、全国各地の学校を臨時講師として転々としていた。古畑は2012年9月に埼玉県秩父市の中学校に数学講師として採用されたが、保護者がこの人物の名前をインターネット検索すると、同姓同名の教師が過去に有罪判決を受けて教員免許を失効しているという新聞記事を発見し、教育委員会に連絡した。
 地元教育委員会の調査で、新聞記事はこの人物本人のことで、また事実関係にも誤りなく、教員免許が失効していることが確認された。教育委員会は2013年4月12日付で古畑を失職処分にした。
 この事件は新聞報道されたものの、教育委員会の記者発表や報道では実名を報じられなかった。古畑はその後、群馬県の小学校の臨時講師として再び採用され、さらに無免許勤務を重ねていた。
 今回の逮捕容疑は、埼玉県での無免許勤務の件である。
 この人物はもともと福岡県の中学校教諭として勤務していたが、2005年に女子中学生にわいせつな行為をしたとして懲戒免職処分を受け、児童買春・ポルノ禁止法違反罪で執行猶予付きの有罪判決を受けた。
 しかし教員免許失効を隠し、2007-2010年には山口県の私立高校で無免許勤務していた。「執行猶予期間が明けた」として教員免許を再申請し再発行されたものの、その過程で無免許勤務が発覚した。この時の教員免許無免許勤務については罰金刑が確定したものの、免許の失効には至らなかった。
 検察は教員免許無免許勤務の事情聴取のために古畑を呼び出したが、その際に古畑は自動車を無免許運転して検察庁に来庁したことが発覚した。自動車無免許運転で2012年に執行猶予付きの有罪になり、教員免許も再び取り消しとなった。この人物は、過去にも2度にわたって自動車無免許運転で罰金判決を受けていた。
 その間にも、2011年には大阪府貝塚市立中学校で勤務していた。2012年に埼玉に移り、今回の容疑となった事件が発覚した。
 さらに事件発覚後も群馬で同じことを重ねている。埼玉県教委は失効した教員免許を返納させたがが、群馬での採用面接の際には返納前で、教員免許が有効のように装って提示していたという。
 教員免許の失効は官報告示されるものの、事実上まともにチェックする体制がないことを示している。本人が失効を隠せば有効かのように装えるというのは、システム運用上の大きな問題である。教員免許は各県発行で、また運転免許のような一元的なデータベースシステムはない。
 児童への性犯罪などで免許が失効した者が、前歴を隠して他県の学校に紛れ込むという手口は、これまでにもあった。こういうことを防ぐようなシステムの構築についても、本気で考えなければならない。少なくとも、懲戒免職になった教諭や在職中に有罪になった教諭については、実名報道も必要ではないか。