橿原市いじめ自殺、学校・市教委隠蔽か:奈良

 奈良県橿原市立中学校1年の女子生徒が2013年3月に自殺した事案で、生徒が同級生からいじめを受けていたという情報が浮上している。

 遺族側が7月5日、記者会見で明らかにしたところによると、この生徒は同級生から無視されて孤立させられたり、部活動で嫌がらせを受けたり、ネット上の通信アプリの「LINE」で家庭事情などの悪口を流されたりしたという。

 この生徒は「これはいじめ。死にたい」と漏らしたあと、2013年3月に飛び降り自殺した。

 学校側はこれらの情報を把握しながら、いじめの可能性は低いとした。校長は2013年6月に実施した保護者説明会で「調査の中でいじめの情報はなかった」と説明していたとも指摘された。

 さらに教育委員会は、遺族側の推薦委員も含めての第三者委員会の設置を求めた遺族に対し「委員は選定済み」などとして、市教委側の委員だけで構成した第三者委員会を開くことを一方的に通知した。市教委はいじめ防止法を逆手に取り、「教委や学校による調査より前に、市町村長が調査することを想定していない」「委員構成は、推薦に基づくことを条件としていない」と主張して、この措置を正当化したという。

 また、調査アンケートの開示を求めた遺族側に対しては、「遺族側が内容を公表しないこと」「調査委員会の最終報告書がまとまるまで、遺族側が同級生に直接接触しての独自調査をしないこと」を交換条件として突きつけたと指摘されている。

 橿原市教育委員会の対応は、隠蔽する気満々だと判断せざるをえない。しかもいじめ防止法を恣意的に解釈して、いじめ隠蔽をいじめ防止法によって正当化するという代物。いじめ防止法自体、穴だらけの法案が通ってしまったという背景もあるが、実際にこういうことになってしまっては被害者は救われない。

(参考)
◎中1自殺 いじめ原因か 「死にたい」友人に相談 奈良(産経新聞 2013/7/6)
◎奈良中1自殺 遺族会見「陰湿ないじめ どれだけ苦痛を与えるのか分かって」(スポニチ 2013/7/5)
◎中1女子自殺問題で橿原市が遺族の要望拒否「いじめ法規定にない」(スポニチ 2013/7/5)