北海道女子児童自殺事件、教師の指導と自殺との因果関係認めず

 北海道遠軽町立小学校6年だった女子児童が2008年4月に自殺したのは担任教諭からの行き過ぎた指導が原因として、両親が町と北海道を相手取り約7900万円の損害賠償を求めて訴えた民事訴訟で、札幌地裁は6月3日、指導が不適切だったことや自殺と指導との因果関係は認めなかったものの、学校側が原因調査を怠ったことなどを認めて約110万円の損害賠償を命じた。

 両親は控訴する方針だという。

 両親側の主張によると、5年生になって担任になった女性教諭が、夏休みの宿題として提出した課題ドリルで、算数の特定の図形問題に「角度がずれている」として×をつけて突き返してやり直しを何度も命じた。児童がいつまでも課題ドリルを持ち帰ることを両親が疑問に思い、教師に事情説明を求めた同年11月まで続いたという。

 担任教諭はその後も、器楽演奏の練習で一人だけ居残りさせるなどした。また担任教諭は、忘れ物をした別の児童を20分間にわたって叱責することもあったといい、自殺した児童は「忘れ物が怖い」と話していたという。

 児童は5年生の3学期頃から「学校に行きたくない」と漏らして休みがちになり、「6年生に進級してもあの担任なのは嫌だ」と訴えていた。児童は6年生に進級した2008年4月、始業式前に同じ教師が6年でも持ち上がりで担任になったことを知り、その直後に自殺した。

 判決では教諭の指導について「やや厳しい指導だったことは否定できない」としたものの、「教育的効果が期待されるもの」として違法性は否定し、自殺との因果関係も認めなかった。

 また自殺後の学校側の調査については「学校には自殺の原因についての報告義務がある」と一般論を指摘した上で、学校側が適切な調査をしなかったことを指摘した。

 調査体制の不十分さはそれ自体問題とされるべきものであろう。しかしその一方で、両親側は一番認めてほしかったであろうと思われる「行き過ぎた指導」が認定されなかった形になった。これまで明らかになっている「指導」の内容をみると、「いじめ」とみなされても仕方がないような悪質なレベルである。裁判所がこれを「正当な指導」と判断するなど理解できない。

 控訴の場合は控訴審で審理されることになるが、指導内容についても踏み込んだ審理が求められる。

(参考)
◎「小6自殺の原因調査怠る」学校側に賠償命令 札幌地裁(朝日新聞 2013/6/4)