学校選択制、学テ成績や進学先明記の「学校案内」発行へ:大阪市

 大阪市教育委員会は、2014年度に一部行政区の市立小中学校で学校選択制が導入されることに伴い、全国学力テストの学校別成績や進学先の高校の名前などを記載した「学校案内」を作成する意向を固めた。


 大阪市の学校選択制は、24行政区ごとに各区の判断で実施され、具体的な実施方法については「中学校のみ」「小中学校とも」、「隣接校区選択制」「自宅からの距離による選択制」「区内全域からの自由選択制」など区によって差異が見られる。2014年度の導入を見送った行政区でも、準備が整い次第導入するとしている。
 学校選択制導入を懸念する意見の一つとして、学校の風評や噂によって「人気校」と「不人気校」の格差が固定化することが指摘されている。これは実際に導入された他地域の事例でも報告されている。
 その際に「風評や噂」の一つとなるのが「学力テストの平均点」「有名高校への進学者数」である。例えば富山市では、「地元で一番の進学校」とみなされている特定高校への進学者数が多い特定の中学校に希望者が集中し、当該校では例年抽選を実施している。また東京都の一部の地域のように、全国学力テストや地域の学力テストの学校別平均点を公表している地域では、学力テストの平均点が学校選択制での選択志向と連動している。
 全国学力テスト自体も、学校間の競争や序列化を目的に導入したものであるが、導入構想が具体化すると競争や序列化への批判が巻き起こり、文部科学省は表向きその目的を隠して「児童・生徒の学力把握」かのように言わざるを得なくなったという経緯がある。
 今回の大阪市教委の措置は、学校選択制という意味でも、全国学力テストという意味でも、懸念されている問題点を露骨な形で表面化させていくことになる。
 今回の措置については撤回すべきだし、またそもそも学校選択制自体が「多くの人が反対や懸念を表明した」という民意を無視して導入されたものであり、学校選択制自体も撤回すべきである。
(参考)
◎学校案内に進学高校名掲載…大阪市教委(読売新聞 2013/5/20)