高校生の憲法意識

 日本高等学校教職員組合(日高教)が「高校生1万人憲法意識調査」を実施し、4月に2012年度の結果を発表している。


 この調査は1977年度・1982年度・1987年度・1992年度・1996年度・2000年度・2004年度・2008年度とおおむね4~5年おきに実施され、2012年度の調査は9回目となっている。
 「あなたが初めて憲法(一部でも)を学んだのはいつごろですか」という設問では、小学校32.3%、中学校60.9%、高校3.9%、学んだことがない2.5%となり、過去の調査と比較しても数値の大きな変動はない。憲法学習は小学校6年の後半で扱われたのち、中学校3年(公民的分野)でも学習し、高校では憲法について扱う「現代社会」「政治・経済」の2科目のうち少なくとも1科目を必ず履修することになるので、小中高段階で3度にわたって学習することになっている。
 この結果は裏を返せば、約3分の2が「小学校での憲法学習は印象に残っていない」、約16人に1人が「小学校も中学校も憲法学習は印象に残っていない」ということにもなり、学習内容の改善策が望まれる。
 平和主義に関連する設問では、憲法9条を「変えない方がよい」とする回答が63%で、変える方がよいとする回答(14.4%)を大きく上回っている。2004年・08年からの経年変化を見ると、「わからない」という回答が激減し、「変えない方がよい」「変えた方がよい」の両方の回答とも増加傾向にある。
 「変えない方がよい」という回答のうち、約75.9%がその理由として「憲法9条を変えると、戦争への道を開くおそれがあるから」としている。高校生の間でも、憲法9条が戦争への歯止めに強い役割を果たしているという認識があると分析できるのではないだろうか。
 また徴兵制については72.5%が「反対」、非核三原則については82%が「堅持すべき」と回答していることも注目される。
 基本的人権についての認識は、尊重されているとこたえた人が増加傾向にある一方で、尊重されていない部分もあるとこたえた生徒も半数近くに達している。
 教育権・学習権についての認識は、いじめや高学費の問題を深刻な問題として認識している傾向があることがうかがえる。高校授業料無償化については「教科書代、教材費や生徒会費などの学校納付金も無償にすべきである」32.5%、「大学、短大、専門学校も無償にすべきである」37.2%などが目立つ。無償化すべきではないという回答はわずか2.4%にとどまっている。
 憲法改正の是非についての設問では、「賛成」が「反対」をやや上回っているものの、両方の回答とも2割台にとどまり、「どちらとも言えない」「わからない」があわせて5割以上を占めている。賛成の理由については「環境権やプライバシー権など新しい権利を加える」とする回答が目立ち、「自衛隊が武力行使できるようにする」は2割にとどまった。
 高校生の憲法意識は、憲法は変えるべきではないし、仮に変えるとしても現行の憲法を発展させる方向でならありえても平和主義など現行憲法の根本を否定するような方向での改憲はすべきではない、というのが多数ではないだろうか。政治家側は現行憲法の根幹を否定する方向での改憲案を出す事例のが目立つが、高校生の思いとは著しく乖離しているのではないか。