福岡のいじめ教師事件、再び中傷文発表される

 福岡市立小学校教諭・林田真二が2003年、当時担任していたクラスで児童にいじめ行為を加え心因性の症状を発症させ、このことを認定した判決が2008年に裁判で確定した事件に関して、『月刊正論』2013年5月号に『殺人教師にでっち上げられて10年…モンスターペアレントとの長き闘い』とする文章が掲載されている。

 この事件では、加害者の教師と組んだジャーナリストが、「でっちあげ」とする書籍を発行するという、前代未聞の異常事態となった。加害者周辺からの「口コミ」で被害者への中傷が広げられて、被害者側が学校や地域社会で孤立させられることは、しばしば報告されている。しかし書籍の形で全国的に被害者への中傷が広められたのは、おそらく初めてではないか。

 この書籍は「マスコミのセンセーショナルな報道」で教師が被害を受けたかのように描いている。しかし実際は、この書籍自身が「センセーショナルな報道」をおこない被害者に二次被害を与える形になった。

 さらに判決が確定した後も、ジャーナリストの名義で、すでに否定された内容の繰り返しにすぎない文章を数年おきに蒸し返して発表するという、他の事件には例を見ないような異常な状況が続いている。

 今回の文章も、すでに否定されたものを焼き直したものでしかない。

 この事件は冤罪ではない。林田が児童のランドセルをゴミ箱に捨てたこと、児童のほおを強く引っ張るなどの暴行を繰り返し加えたことは、判決では疑う余地のない形で認定されている。

 林田本人やこの教諭を支持して中傷文章を書き続ける自称ジャーナリストは、児童のほおを強く引っ張るなど暴力を加えたことを認めながらも「軽微な体罰」と主張している。これのどこが軽微なのかきわめて謎である。暴力をふるったこと自体は否定できないから、「正当な行為だし大したことがないから、文句を言う方がおかしい」と問題をすり替えているのである。

 本人や取り巻きが「軽微」と印象づけようとしても、これは悪質な「体罰」・暴力行為でありいじめである。またいじめが原因で心因性の症状を発症したことは裁判でも認定されている。

 にもかかわらずこのような文章を掲載し、被害者を再び攻撃しようということなど論外である。「モンスター」は一体どっちなのだろうか。