「体罰」を実際よりも過小に報告:長崎

 長崎市立中学校の野球部顧問の男性教諭(27)が部員の生徒に暴行や暴言を加え一時不登校に追い込んだ問題で、学校側が長崎市教委を通じて長崎県教委に提出した文書で「体罰」を過小報告していたことがわかった。


 被害生徒の保護者が情報公開請求をおこない、過小報告の事実が判明した。長崎市教委は学校に再調査を指示し、また長崎県教委に対して再調査結果が出るまで教諭の処分検討を保留するよう要請した。
 「体罰」事件や暴言の詳細な中身については、▼部活動中に捕球できなかったとして、太ももをバットで何度も殴られてあざができた。▼複数の生徒がバットで頭を殴られた。▼肩をわしづかみにされて揺すぶられた。▼生徒が足の疲労骨折と診断され、その旨を申告すると「心の問題。お前の心が複雑骨折だ」などと暴言を受けた。などがあったという。被害生徒の他にも、別の5人の生徒への「体罰」が確認されているという。
 被害生徒側は2012年12月に「体罰」被害を申告した。また被害生徒は、教諭への恐怖心から1ヶ月ほど登校できなくなったという。
 しかし学校側が作成した文書では、太ももを何度も殴ったことを「1回軽くコツンとたたいた」、「心の複雑骨折だ」の発言は「気持ちを強くもつようにと伝えた」などと、実際より被害を小さくして記載した。また肩を揺さぶる「体罰」は記載そのものがなかった。
 学校側は「生徒が不登校になり話を聞けず、教諭の主張を元に記載した」などとしている。
 「体罰」加害者が実際の行為より小さく主張するのは、いつものことである。学校や教育委員会が認定した「体罰」被害はごく一部に過ぎず、実際は教育委員会発表や加害者の主張よりももっと悪質な暴行・暴言・人権侵害行為がおこなわれていたことはざらにある。
 裏付けを十分にとらず、また被害者側の被害訴えに耳を傾けずに、加害者の主張をうのみにすることは、被害者に二次被害を与えることになる。
(参考)
◎長崎・体罰問題:市教委が体罰「過小報告」 保護者が指摘(毎日新聞 2013/4/3)