竹富町教科書問題、沖縄タイムズ社説

 沖縄タイムズ2013年3月29日付『社説[竹富町教科書問題]政治介入は慎むべきだ』。この間の沖縄県八重山地区教科書採択問題に触れ、文部科学省などによる政治介入は慎むべきと訴えている。


 沖縄県八重山教科書採択地区(1市2町の3自治体で構成)では、中学校社会科公民的分野(3年生)の教科書について、「新しい歴史教科書をつくる会」系の委員により、不透明な手続きを経る形で当初の東京書籍版の採択を退け、強引に「つくる会」系の育鵬社版の採択が答申された。
 しかし、正式に採択を決める各自治体の教育委員会会議で、竹富町では当初方針通り東京書籍版の採択を正式決定した。「教科書無償措置法は、採択地区内では協議会で決めた同じ教科書を使うと定める。一方で地方教育行政法は、各市町村の側に採択権限を与えている」という法律の矛盾の穴に挟まれる形で、竹富町は採択は有効とされたものの、無償配布に必要な経費予算は拒否され、自主的な配布を余儀なくされている。
 一方で、義家弘介文部科学省政務官が現地派遣され、育鵬社版教科書を使用するように圧力をかけた。義家氏は地区の教科書採択答申の際にも、採択地区での育鵬社版支持委員に助言していたことも明らかになっている。
 採択地区での議論に疑義があることや、また教科書採択については原則自治体単位となっていることで近隣自治体を合わせた採択地区は任意であることなどを考えれば、竹富町の教科書採択の判断こそが尊重されるべきではないか。
 また育鵬社版教科書には、事実認定や事実解釈の記述に一方的な部分が多い。社会科教員志望者への「間違い探し」としての反面教師的な大学教職課程の授業での使い方ならともかく、中学生の授業ではとても学校現場で使用できるような内容ではないものである。その意味でも、竹富町の判断は尊重されるべきであろう。