保護者会役員が圧力かけ「体罰」隠蔽工作

 兵庫県高砂市立松陽中学校で「体罰」についてのアンケート調査が実施された際、野球部父母会役員らが他の保護者に対し、野球部監督の「体罰」を報告させないよう働きかけたり、被害を訴えた保護者には訂正するよう圧力をかけていたことがわかった。


 兵庫県教育委員会がこの情報をつかんで調査をやり直したところ、被害訴えの件数が増えたという。
 この中学校の野球部は全国大会にも出場した様子である。部活動強豪校と評される学校を中心に、指導者の取り巻き・「信者」ともいえるような一部保護者が指導者の暴力を擁護し、暴力問題が発覚すると顧問の擁護や、被害者やその支援者・事件を報じたマスコミなどへの攻撃の一端を担うこともよく聞かれる。
 最近でも、大阪市立桜宮高校の問題で一部保護者が顧問への寛大な処分を求める署名をおこなったり「生徒は実力不足なのに推薦入試目当てに主将に立候補してつぶれた」など一方的な中傷が流されたことや、愛知県立豊川工業高校陸上部顧問の暴力問題で被害者が「部活動についていけずに不登校や転校を選んだことを正当化するため、教師に責任をなすりつけた」かのような中傷とともに嘆願書を出したことなどが記憶に新しい。
 今回の事案でも、「体罰」・暴力を肯定する一部保護者が、一般の保護者に圧力をかけている構図が見て取れる。そもそも、「指導」と称して暴力を加える行為は、教育的にも技術指導的にも何の効果もないどころか、科学的には弊害ばかりが明らかになっている。そういう行為を黙認するだけでなく積極的に推進しようという一部保護者は、直接手を下していないというだけで、実質的には児童虐待だといえる。
 また、「体罰」被害を訴えた保護者に対して野球部父母会役員が修正を迫ったということは、学校側が実施したアンケート結果について、どの保護者がどのような回答をしていたのかが一部有力保護者に筒抜けになっていたことになる。普通に考えれば教職員から一部有力保護者に情報を漏らしたとしか考えられず、学校側の情報管理のいい加減さについても厳しく問われなければならない。