「保護者の苦情で不眠症」提訴した教諭が敗訴:埼玉県

 埼玉県行田市立小学校の女性教諭が、「モンスターペアレント」の保護者からの苦情で不眠症になった、また苦情が名誉毀損にあたるとして当該保護者を訴えていた訴訟で、さいたま地裁熊谷支部は2月28日、「名誉毀損にはあたらない」として請求を棄却した。

 教諭は、連絡帳に書き込まれた抗議文や、保護者が埼玉県教委に不適切指導を告発する文書を提出したこと、また「体罰」で警察に被害届を出したことなどを「中傷」と主張した。

 この訴訟は、児童間のトラブルを「どちらが悪いか」をクラスの多数決で決めようとするなど不適切な「指導」をおこなった教諭が、当該児童の保護者から抗議されたことを逆恨みして起こした恫喝訴訟であることが指摘されている。

 判決では、保護者が連絡帳に書き込んだ抗議内容に一部行き過ぎがあったと判断した。しかし連絡帳を読むのは学校関係者に限られ、しかも学校関係者には職務上知った内容への守秘義務が課せられているとして、不特定多数に広まることはないとして名誉毀損にはあたらないと結論づけている。

 請求棄却自体は当然である。その一方で教諭の主張は、自分にとって不都合な人物を恫喝で封じ込める内容であり、本来なら全面棄却されるべきものであるにもかかわらず、一部認容するような形になったことは残念である。

(参考)
◎教諭の慰謝料請求棄却=保護者の苦情で不眠症-さいたま地裁熊谷支部(時事通信 2013/2/28)
◎「保護者の苦情で不眠症」小学校教諭の訴え退け 「不法行為でない」(産経新聞 2013/2/28)
◎児童両親嫌がらせで不眠症、教諭の請求棄却(日本テレビ 2013/2/28)