「体罰」自殺、「兄の進学の面倒見る」と懐柔工作?

 愛知県立刈谷工業高校2年の男子生徒が2011年に自殺した問題に関連して、当時の鈴木直樹校長(現刈谷市副市長)が、遺族に対して「当時浪人生だった、自殺した生徒の兄の大学進学の面倒を見る」と受け取れるような話を持ちかけていたことがわかった。遺族側は応じなかったという。

 毎日新聞によると、「こういう立場(校長)にいるので、うまく大学に入れていくとか、大学関係者に頼むと入って行けるとか。校長のところにそういう人たちがよく来るんです。よかったらぜひ私に」「私の気持ちとしてお役に立てるのであればやってあげたい」などと発言したという。自殺事案が報道された2012年夏、副市長に就任していた鈴木元校長は再び遺族宅を訪問し、発言を撤回すると申し入れたとされている。
 鈴木元校長は毎日新聞の取材に対し「大学の情報を伝えたつもりだった。誤解され、残念だ」と話しているという。
 この自殺事案では、生徒が所属していた野球部で、顧問からの「体罰」があった。生徒は直接暴力被害を受けていなかったとみられているものの、「体罰」・暴力が身近でおこなわれていたことを苦にして退部を考え、顧問からの呼び出しを受けた2日後に自殺したことが指摘されている。
 校長発言は2011年11月6日にあったという。当時「体罰」事案は公表されていなかった。遺族側は不謹慎な懐柔策と感じて応じなかったという。
 この発言は、「体罰」事案の隠蔽や懐柔を図ったとみられてもやむをえないだろう。
(参考)
◎刈谷・高2自殺:元校長が不謹慎発言 兄の進学「お役に」(毎日新聞 2013/2/22)