「体罰」事件、誤った記者発表で被害者が人権救済申立:鳥取

 鳥取市立気高中学校で2012年7月にサッカー部顧問の男性教諭(55)が部活動指導中に生徒を倒し骨折させたとされた「体罰」事件で、被害にあった生徒が「市教委の発表は事実と異なる」として、10月18日付で鳥取県弁護士会に人権救済を申し立てた。

 2012年7月18日、教諭はサッカー部の指導中にこの生徒に激高し、生徒に暴力を加えて転倒させ、右手首骨折のケガを負わせた。

 鳥取市教育委員会は2012年10月5日、この「体罰」事案があったことを記者発表した。しかしその際、事件の経過について加害教諭が「興奮状態にあった生徒を落ち着かせるため、体を押さえ込もうとした」と主張したとして、教諭側の言い分にそって発表した。

 しかし市教委から被害生徒側への事情聴取はおこなわれることはなかった。被害生徒側は事件の経過について、「生徒側は終始冷静だったが、教諭が一方的に興奮して腰を蹴るなどの暴力を加え、その直後に足をかけて地面に倒した」と指摘している。「不正確な事実経過が記者発表されたことで誤解が広まり、名誉が傷つけられた」として、重大な人権侵害行為として人権救済申し立てをおこなった。

 事実経過を故意に隠したり自分に都合が良いように歪曲したりした教諭側の言い分がそのまま垂れ流されると、まるで生徒に非があり教諭は正当行為をおこなったが運悪く事故につながったかのような誤った印象となる。これでは暴行・「体罰」事件という本質がかき消され、「体罰」・暴行正当化につながる。加害教諭本人やそれをかばい立てるような人物にはそっちのほうが都合が良いのかもしれない。

しかし事実に反する内容が広まることで、被害者に二次被害が与えられることになる。こういうことは決して許されない。